西鉄200形電車 (軌道)

西鉄200形電車の歴史

西鉄200形電車は、かつて西日本鉄道が所有していた路面電車向けに設計されていた車両です。最初は大牟田市内線用に製造されましたが、その後、様々な路面電車路線で活躍し、最後には福岡市内線に集結しました。この電車の開発背景や運用、そしてその後の展開について詳しく見ていきましょう。

開発の背景

1927年に大牟田電気軌道によって開業された大牟田市内線は、さまざまな戦争の影響を受ける中で急速に輸送需要が増えました。1942年には九州鉄道への合併を経て西日本鉄道がこの路線を運営することになりましたが、小型の2軸車では需要に対応できない状況でした。それに対応するため、1930年代末から1940年代初頭にかけて2軸車の機器を流用した大型ボギー車の製造が計画され、これが後の西鉄200形電車となります。

車両の特徴

200形は半鋼製の両運転台車体を持ち、当初は前後と中央部に乗降扉が設けられていました。台車はバーフレーム式で、コイルばねを使用し、車両の床は高床式とされていました。これにより乗客の乗降が容易になっており、戦時中の厳しい条件に対応するための工夫が施されています。

運用の移り変わり

200形電車は1943年から1944年にかけて製造され、初めは大牟田市内線に配属されましたが、福岡市内線にも9両が配置されました。戦後の混乱期には、数々の路面電車路線に転属し、あらゆるニーズに応える形で活用されました。特に福島線では初のボギー車としての位置づけで、路線の近代化に寄与しました。

1952年に大牟田市内線が休止となると、残った車両は福岡市内線に転属し、ますます活躍の場を広げていきました。1960年代には、運用の効率化と利便性向上のための改造が施され、ワンマン運転への対応も含まれました。

最後の運命

しかし、1970年代に入ると利用客が減少し、1975年には福岡市内線も段階的に廃止へと進みました。200形も廃車が進み、全車が形式消滅してしまいました。現在では、いくつかの車両が保存されていますが、例えば204号は、山口県光市立図書館の敷地に設置され、一時は利用されていましたが、老朽化により利用が終了しました。その後、「204の会」による保存活動により、大牟田市内に移設され、製造当初の色に塗装復元されて公開されています。

結論

西鉄200形電車は、昭和中期から後期にかけて福岡市内線を含む多くの路面電車路線で重要な役割を果たしました。その歴史を通して地域の交通機関の変遷を象徴する存在でした。現在の保存活動は、この貴重な歴史の一端を未来へ伝えるための重要な仕事として続いています。

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