西鉄50形電車

西鉄50形電車の概要

西鉄50形電車（にしてつ50けいでんしゃ）は、かつて西日本鉄道（西鉄）によって使用されていた電車の一つで、主に宮地岳線（現在の貝塚線）で運行されていました。この形式名を持つ車両は、国鉄から譲渡を受けた車両や他の私鉄からの引き継ぎにより形成されており、さまざまな車種が存在しています。具体的には、大牟田線に所属する1形式、3車種と宮地岳線に所属する1形式と2グループが同時期に在籍していました。この項目では、特に西鉄が国鉄から譲り受けた車両、すなわちク50形55 - 63号について詳しく解説します。

車歴の概観

50形電車の車歴は、元々異なる背景を持つ車両から構成されています。特に、元は国鉄の気動車改造車であったク55からク58、そして木造電車であったク59からク63の5両が特徴的です。このセクションでは、それぞれの車両の成り立ちとその後の経歴について詳しく見ていきましょう。

元国鉄の気動車改造車（ク55 - 58）

これらの車両は1944年11月に、西鉄が国鉄から譲渡を受けた気動車です。これらはもともと異なる私鉄会社が使用していた車両で、各車両の形式も異なっていました。以下に各車両の詳細を示します。

• - ク55: 1930年に製造された北九州鉄道のキハ96が、その後の国鉄でキハ5026と改番されました。最初は片ボギー車でしたが、後に台車が改装されてボギー車に変更。側面窓配置は1D8D1で、全長は10,900mmでした。
• - ク56: 1931年に新宮鉄道のキハ202から改造。しかし1949年に事故で廃車。
• - ク57・ク58: 1934年に製造された中国鉄道のキハニ160・161で、両車両とも特に大きな変更なく西鉄に譲渡されました。ク57は1963年に車籍を譲渡し、事実上の廃車となりました。

元国鉄の木造電車（ク59 - 63）

これらの木造電車は1952年に国鉄から譲渡され、もともとは大正時代に製造されたものでした。譲渡時にはすでに側面3扉の構造を持っていましたが、譲渡後にさまざまな改造が加えられました。

• - ク59・ク60: 1921年に製造されたデハ33521・33527が起源で、戦後の国有化を経て貴重な形で西鉄に引き継がれました。
• - ク61・ク62・ク63: これらの車両は元々国鉄のクハ6005・クハ17074・クハ17072で、側面窓の拡大や構造自体の変更が行われました。

廃車とその後

1957年から60年代初頭にかけて、これらの車両は次第に廃車となりました。特に、ク61とク62は1957年に廃車され、ク63は1979年に廃車となりました。鋼体化された車両も存在し、それに伴う形状変更も見受けられましたが、全体的な流れとして西鉄50形電車は時代の変化と共に姿を消していきました。

おわりに

こうして、西鉄50形電車は多様な背景を持つ興味深い車両群として歴史に名を残しました。国鉄からの譲渡や他の私鉄事業者からの引き継ぎにより、多彩な特徴を有していたこれらの車両たちは、今後の鉄道ファンや歴史愛好者にとっても貴重な資料となることでしょう。

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