西阿知地区

倉敷市西阿知地区の詳細

西阿知地区は、岡山県倉敷市倉敷地域に位置し、かつての浅口郡西阿知町に相当します。倉敷市街地の西部に位置し、高梁川下流の左岸に沿って三日月状に広がっています。この地区は、西阿知町、西阿知町西原、西阿知町新田、片島町で構成されています。

地理と概要

地区の大部分は、高梁川の堆積作用と新田開発によって形成された低平地です。約15,500人が居住しており、地場産業として「い草」製品が有名です。萩原工業がこの地で創業しました。

かつては、駅周辺の旧市街地を中心に稲作やい草栽培が盛んでしたが、道路事情は良くありませんでした。近年、国道2号玉島バイパスや県道笠岡線などの整備が進み、東に隣接する中洲地区の大型ショッピングモールの影響もあり、宅地開発が活発化しています。

特産品の変化

かつては米やい草の栽培が盛んで、特に花莚は全国有数の特産品でした。しかし近年、生産量の減少とともに、原料のい草栽培が衰退し、ポリプロピレン（PP）を使用する業者が増えています。

地域ごとの特徴

西阿知町

西阿知地区の中核をなす地域で、住所表記・地図表記は西阿知町です。地区内の大部分はかつて海域であり、近世の干拓によって陸地化されました。新屋敷集落からは弥生後期式の土器が発掘されています。

江戸時代には、干潮時に阿智潟という干潟が広がっていたため、干拓による新田開発が盛んに行われました。元和2年には西阿知村の十二貫尻と丸川の地が開発されました。十二貫尻は備前岡山藩領、丸川は元禄10年に新見藩領となりました。

戦国時代には毛利氏の勢力下でしたが、江戸時代には幕府領となり、松山にあった代官所の管轄下に入りました。地名の由来には諸説あり、古代の浅口郡阿智郷に比定される地であること、または阿智潟の西に位置することなどが挙げられます。

明治時代には山陽鉄道が開通し、大正9年には西阿知駅が開業しました。昭和期までは米・い草栽培と花莚の製造で栄えましたが、現在は宅地や商店・企業が増加し、人口も増加しています。

西阿知新田

住所表記・地図表記は西阿知町新田です。倉敷地域の南東部、水島地域の北東部に位置し、東西に長い領域を持っています。元々は吉備の穴海の一部でしたが、江戸時代初頭に干拓が行われ、新田開発が行われました。開墾時には萱野新田村と呼ばれていましたが、後に西阿知新田村に改称されました。現在は住宅地としての開発が進んでいます。

西原

住所表記・地図表記は西阿知町西原です。西阿知地域内の北西に位置し、高梁川の東岸にあたる南北に長い地区です。元は浅口郡西原村と呼ばれ、江戸時代には備前岡山藩領となりました。明治時代に片島と合併し、その後西阿知町となりました。現在は宅地化が著しく進んでいます。

片島町

高梁川東岸に位置し、西阿知地区内の南部にあたる南北に長い地区です。地区北端部には片島山と呼ばれる小高い丘があり、かつては島でした。江戸時代前期には干潟が広がるようになり、「潟島」と呼ばれるようになりました。南北朝時代には豪族二階堂氏がこの島に城を築いたとされています。江戸時代には干拓が行われ、片島新田が開墾されました。現在は企業・商店の立地や宅地開発が盛んに行われています。

主要施設

倉敷市役所西阿知市民サービスコーナー
倉敷市西阿知公民館
倉敷市立西阿知小学校
倉敷市立倉敷第一中学校
西阿知郵便局
大橋郵便局
中国銀行西阿知支店
水島信用金庫西阿知支店
萩原工業
カモ井加工紙

交通

鉄道: 西日本旅客鉄道 山陽本線 西阿知駅
道路: 国道2号玉島バイパス、国道429号、岡山県道60号倉敷笠岡線など

参考文献

『西阿知町史』西阿知町史編纂委員会、1954年
『岡山地名事典』巌津政右衛門、日本文教出版社、1974年

この文章は、西阿知地区の歴史、地理、産業、文化に関する情報をまとめたものです。より詳細な情報は、参考文献をご参照ください。

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