見上げればいつも青空

『見上げればいつも青空』は、1987年4月6日から10月2日まで、読売テレビで放送された朝の連続ドラマです。全130回（26週）に渡り、美容師、競馬評論家、エッセイストとして活躍した和田絵衣子さんの波乱に満ちた人生を描いています。松竹芸能が制作に携わったこのドラマは、数々の名優を輩出した関西のテレビドラマ史において重要な位置を占めています。

主人公の和田絵衣子役を演じるのは甲斐智枝美さん。彼女の夫・浩二役には原田伸郎さんが扮し、他に久保龍一さん、加茂さくらさん、大村崑さん、春やすこさん、上岡龍太郎さん、三島ゆり子さん、林美智子さん、高倉美貴さん、宝生あやこさん、宅麻伸さん、あいはら友子さん、海原小浜さん、三浦リカさん、佐川満男さん、円広志さん、入川保則さん、山本ゆか里さんなど、関西を代表する実力派俳優が多数出演しています。ナレーションは浅茅陽子さんが担当しました。

物語は、和田絵衣子さんの夫である浩二との出会いを起点に、結婚生活、夫の浮気、そして夫の食道がんによる死という、彼女の人生における大きな出来事を丁寧に描いています。困難に直面しながらも、持ち前の明るさと強さで生き抜いていく彼女の姿は、多くの視聴者に共感を呼びました。特に、上岡龍太郎さんが演じた美容師の店長は、独特のオカマ口調と存在感で大きな話題を呼び、ドラマの大きな見どころの一つとなっています。その演技は、上岡龍太郎さんの知名度を関西にとどまらず、全国へと広げるきっかけとなりました。また、浩二の浮気相手を演じた高倉美貴さんは、このドラマがきっかけで原田伸郎さんと出会い、後に結婚しています。

このドラマを彩るもう一つの要素は、円広志さんが歌う主題歌「風の港」です。ドラマの雰囲気と見事に調和したこの楽曲は、多くの視聴者の記憶に深く刻まれています。脚本は高村美智子さんが担当し、原作は和田絵衣子さん自身によるものとなっています。音楽は渡辺岳夫さん、演出は山根治さん、山本和夫さん、荻野慶人さんが担当しました。制作は読売テレビと松竹芸能が共同で行っています。

『見上げればいつも青空』は、単なる人生ドラマにとどまらない、多くの要素が複雑に絡み合い、視聴者を惹きつける魅力に満ちた作品です。個性的なキャラクター、名優たちの演技、そして心に響く主題歌。これらの要素が完璧なバランスで融合し、忘れられない感動を視聴者に届けています。上岡龍太郎さんの名演、そして原田伸郎さんと高倉美貴さんの出会いを生んだこのドラマは、日本のテレビドラマ史に燦然と輝く一作と言えるでしょう。当時、リアルタイムで視聴した方も、そうでない方も、このドラマが持つ深い感動と余韻を味わってみてください。

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