見付元氏

見付元氏について

見付元氏（みつけ もとうじ）は、戦国時代に活躍した武将であり、安芸国の国人・毛利弘元の子供として知られています。彼は毛利元就の異母弟とされている人物で、彼の存在は文献や伝承を通じて伝わっていますが、その実在性には疑問が残っているのが特徴です。元氏は、安芸国高田郡多治比村の世良家の先祖であると伝えられています。

生涯

元氏の生年ははっきりとは分かっていませんが、彼は母親が毛利弘元の娘である井上元信の娘で、庶子としてその家に生まれました。元氏は「見付」の名字を名乗り、後に「吉岡」の名字に変わったとされています。また、元氏の生涯に関するさまざまな書類や伝承が残っていますが、これらの情報の多くは世良家に集約されています。

彼は、戦国の情勢や家族の状況によって、さまざまな名前や役割を持ち続けました。「毛利元就公御廟所之覚」に記された情報によると、元氏は出生時に家臣に預けられ、後に毛利元就の元で育つことになりました。元就は元氏を「見付次郎」と名付け、迎えました。

世良家に伝わる系図によれば、元氏には土地が与えられており、永禄2年（1559年）には元就から彼宛の書状も残されています。この書状には、父である弘元のかつての隠居領であった多治比、穂村、横田の300貫余りの地を「見附坊」に永世遣わす旨が記されています。しかし、元氏の亡くなった年については詳細が分かっていません。

子孫と世良家の歴史

見付元氏の直接の子孫である元正と元綱は、毛利輝元に仕官し、世良の名字を与えられました。元綱は慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦い後にも毛利氏に従い、周防国と長門国への減封にともなって安芸国高田郡多治比村へ帰住しました。その後、元綱の子、元重の代から農業を始め、大里正として知られる庄屋となりました。

また、正徳5年（1715年）には、徳山藩の藩主である毛利元次が世良家の系図や肖像画を借り受け、名画を描かせた記録も残っています。文政元年（1818年）から文政8年（1825年）にかけて編纂された『芸藩通志』では、世良家の当主が元氏から数えて9代目であり、昭和初期には15代目が存在していたとされています。

世良家に関わる墓や肖像画は、世良家がある地域や周辺の寺院に存在しており、彼らの歴史を物語っています。加えて、安芸国高田郡吉田町にある吉岡家も元氏の子孫を名乗っており、世良家と関連する系譜が維持されています。こうして見付元氏の存在は、彼の子孫を通じて現在も受け継がれています。

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