見失われた彗星

見失われた彗星

見失われた彗星とは、未来の出現が予想されていたにも関わらず観測されなかった彗星のことを指します。これに該当する彗星は、特にD/と付けられたものが多いです。本記事ではこのD/が付された19個の彗星に加え、過去に見失われた後に再発見された彗星についても詳しく紹介します。これらの天体は、人間の観測技術や科学の進展に寄与する貴重な研究対象です。

D/の付いた主な彗星

以下に、見失われた彗星の中で特に注目に値するものを幾つか紹介します。

ビエラ彗星 (3D/Biela)

1826年に観測されたビエラ彗星は、その後の回帰で核が二つに分裂しました。その後、数度の回帰で観測されましたが、1872年以降は観測されなくなり、現在までに連続して25回観測されていません。次の回帰が2023年と予想されていますが、その行方は依然として不明です。

ブローセン彗星 (5D/Brorsen)

1846年に発見されたこの彗星は、公転周期が約5.5年で、観測の困難な年と容易な年が交互に訪れる特徴があります。最近の計算により、2023年の回帰に注目されていますが、過去の観測記録が不明なため期待が持てません。

パーライン・ムルコス彗星 (18D/Perrine-Mrkos)

1896年に発見されたこの彗星は、長い間観測されていません。1955年に再発見されたものの、その後の回帰でも姿を見せることなく、次回は2026年が予想されます。

ネウイミン第2彗星 (25D/Neujmin)

1916年に発見されたこの彗星は、数度の観測機会を逃し続けています。1970年に類似の彗星が発見されましたが、後にそれは新しい短周期彗星であることが判明しました。次回の回帰は2025年とされています。

ハリントン・ウィルソン彗星 (D/1952 B1)

1952年に発見されたこの彗星は、観測が非常に難しい状況が続いています。10回の回帰の中で一度も観測されていないため、次回の回帰は2022年と見積もられています。

過去に再発見された彗星

過去に見失われていたが再発見された彗星についても触れます。例えば、1867年に発見されたテンペル第1彗星は何度も観測に失敗した後、1972年にようやく再発見されました。その他にも、ホームズ彗星やタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星など、再発見までの長い年月がかかることがあり、これらの彗星は天文学者たちにとって特別な対象となっています。

最近観測されていない彗星

近年観測されていない彗星に関しても触れておく必要があります。例えば、ボーティン彗星やバーナード・ボアッティーニ彗星は最近の観測が途絶えており、その存在が危ぶまれている状況です。これらの天体の回帰時期が迫っていますが、果たして姿を見せるかどうかは未知数です。

まとめ

見失われた彗星たちは、天文学者にとって非常に興味深い存在です。観測されていない彗星の回帰は新たな発見に繋がる可能性があり、その行方を追い続けることは宇宙への理解を深めることにも寄与します。今後の研究や観測結果に期待が寄せられます。

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