見性

見性（けんしょう）の概念

見性は、人間に内在する根源的な本質を識別することを指します。この「性（しょう）」は、本来は無垢であり、煩悩によって損なわれることはありません。この自性の清浄さに気づくことが見性とされ、仏教における重要な悟りの一つです。

また、この性は様々な名で呼ばれます。仏教の文脈においては「仏性」「法性」「心性」といった言葉でも表現されており、これに基づき、見仏性、見法性、見心性、さらには見心見性といった言い回しが使われることもあります。

見性の重要性

見性は、禅における悟りの本質を示すものであり、悟りの瞬間が直接的に成仏に結びつくと考えられてきました。仏教特に禅宗では、見性による覚醒は重要な目標の一つです。ただし、全ての禅宗の立場が見性を支持しているわけではありません。たとえば、道元はこの見性の概念を否定し、別のアプローチを提示しました。彼は、見性を追求する過程が成仏への道であるとは限らないという考えを持っていたのです。

仏典における見性の扱い

『六祖壇経』は、見性について深く語る重要な仏教経典の一つです。この経典では、見性がいかに重要であるか、またその実践方法について具体的な指針が示されています。特に、六祖慧能の教えにより、見性が個人の悟りと成仏にどう結びつくかが強調されています。

各宗派における見性の実践

臨済宗

臨済宗においては、見性を目指すために坐[[禅]]が行われます。坐[[禅]]は心を一つにし、自身の内面と向き合うための重要な手段とされています。坐[[禅]]によって、煩悩を取り除き、清浄な自性にアクセスすることが目的とされます。

曹洞宗

曹洞宗でも見性が強調されており、見性成仏という教えが中心に据えられています。この考え方では、見性を悟ることがそのまま成仏へと繋がると教えられています。

結論

見性は仏教、特に禅において非常に重要なテーマです。自らの本質を理解し、煩悩から解放されることで真の悟りが得られると教えられています。各宗派における見性の理解や実践は多様ですが、その根源的な目標は共通しています。見性を追求することで、私たちは自身の内なる清浄さに気づき、より深い覚醒へと導かれていくのです。

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