親ヶ谷古墳

親ヶ谷古墳の概要

親ヶ谷古墳（おやがたにこふん）は、岐阜県不破郡垂井町府中に位置する著名な古墳です。この墳墓は前方後円墳の形を持ち、地域の歴史的貴重さを示している重要な遺跡とされています。古墳は標高185メートルに築かれており、垂井町の防衛や首長の埋葬のための場として利用されていたと考えられています。

古墳の歴史

この古墳は、1879年に盗掘された結果、多くの副葬品が発見され、その後、これらの出土品は東京国立博物館に収蔵されています。特に銅鏡が数多く出土したことが特徴であり、14面が確認されています。また、昭和初期に行われた調査では、内行花文鏡片も発見されたとのことです。これらの出土品は、当時の人々の信仰や埋葬の習慣を物語る重要な資料となっています。

墳丘の形状

親ヶ谷古墳は、最初の測量においては直径10メートルの円墳とされていましたが、その後の調査では墳丘は長さ85メートル以上の前方後円墳であることが明らかになりました。この墳丘は前方部を北方に向けて設計されており、墳丘は2段からなり、後円部の上段には石材が用いられていますが、埴輪の存在は確認されていません。埋葬された時期はおそらく4世紀後半であると推定されていますが、詳しい発掘調査は行われていない状況です。

規模と出土品

親ヶ谷古墳の規模は次の通りです：

• - 墳丘長: 85メートル
• - 後円部直径: 42メートル
• - 後円部高さ: 6メートル
• - 前方部幅: 43メートル
• - 前方部高さ: 5.5メートル

出土した遺物は多岐にわたりますが、特筆すべきは以下の品々です：

• - 石製合子 2個
• - 石製高坏 1個
• - 石製二重口縁壺 1個
• - 石製小型丸底壺 2個
• - 石製四脚付盤 1個
• - 鍬形石 1個
• - 車輪石 5個
• - 管玉 8個
• - 棗玉 4個
• - 銅鏡 14面（現在は東京国立博物館に収蔵）
• - 内行花文鏡片（伝承のみで所在不明）

文化財としての指定

この古墳は、1957年に垂井町の史跡として指定され、地域の文化財としての価値が認められています。親ヶ谷古墳は、古代の人々の生活や埋葬文化を知るための貴重な遺跡であり、訪れる人々にその歴史的重要性を伝えています。今後、さらに多くの研究や調査が期待される場所です。

参考文献

• - 中井正幸『昼飯大塚古墳 -美濃最大の前方後円墳-（日本の遺跡 21）』同成社、2007年。
• - 史跡説明板
• - 垂井町文化財アーカイブ

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