親王

親王（しんのう）

親王とは、東アジアにおいて嫡出の皇子や最高位の皇族男子に与えられる称号です。この用語は中国の王朝に由来し、日本やベトナムでも採用されました。特に日本の皇室においては、親王の称号は皇族の特定の身分を示します。

親王の由来

「王」という言葉自体は最初、君主を指しましたが、後の王朝の発展に伴い「皇帝」号が君主の最上位と位置づけられるようになります。この変化により、「王」という称号は特に高貴な者に用いられ、皇族男子にも適用されるようになりました。

魏の時代以降、特に皇帝と近しい皇族男子には「親王」という称号が与えられ、それが日本や大韓帝国に受け継がれました。

日本における親王

日本の皇室においては、親王は皇族の特有の称号で、「殿下」と呼ばれる敬称が使われます。皇室典範の中では、親王は嫡出の皇子や嫡男系嫡出の皇孫に与えられる称号として明言されています。また、皇嗣となる者は「皇太子」と呼ばれます。

親王の現在の扱い

現行の皇室典範では、親王は天皇の直系の男系男子であり、嫡出のものでなければなりません。女性皇族は「内親王」と称し、親王の妻である「親王妃」が存在します。三親等以上の者は「王」または「女王」と称されます。

歴史の中の親王

律令制以前、日本では天皇の男系子孫たる者に「王」の表記が用いられていました。その後の律令制度により、天皇の兄弟及び一世の子女は親王、二世孫以下は王と定義されるようになりました。平安時代になると、特定の子女に「親王」の称号が授けられる制度が発展しました。

鎌倉時代以降の発展

鎌倉時代以降、特定の親王が皇室から経済的独立を果たしていきます。これにより世襲親王家が誕生し、代々特定の親王が皇親として認められることになります。

明治以降の法制

明治維新の際、親王にまつわる法制が改訂され、親王の名称は一世のみを対象とされました。その後の皇室典範では、親王の範囲を四世孫までとし、五世孫以下は王とされるようになりました。これにより、親王宣下制度が廃止されます。

中国の親王

中国における親王は、清朝以前から存在しましたが「親王」という称号単体は見られませんでした。清朝における親王は特に高い爵位であり、世襲親王と非世襲親王がありました。

大韓帝国の親王

李氏朝鮮では、王族の男子に「君」という称号が与えられていましたが、大韓帝国の成立と共に、より高位の称号として「親王」が定義されましたが、実際には王が正式な称号でした。

現代における親王の呼称

日本では、国際的な場において他国の皇族を親王と呼ぶ呼称が一般化しましたが、報道などでは王子・王女という呼称が多く使われるようになっています。これは、皇帝の親族を指す、名誉ある称号として認識されています。

親王という称号は、その歴史や役割を通じて東アジアの王権や貴族性を象徴する重要な地位を持ち続けています。

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