親露

親露・親ソとは何か？

「親露」とは、ロシア連邦に対し、政治、経済、社会、文化など多方面で好意的で親近感のある感情を抱くことを指します。対義語は「反露」であり、歴史的文脈によっては「親ソ」という表現も用いられます。本稿では、親露・親ソの両方を網羅的に解説します。

親露・親ソの感情は、単なるロシアやロシア文化への好意にとどまりません。国際情勢においては、ロシア寄りの姿勢を示したり、反米・反中といった特定国家への対抗意識からロシアとの関係強化を図る側面も持ちます。

各国における親露・親ソの様相

旧ソ連地域

ウクライナ: ウクライナは親露派と親欧米派に分裂しており、特に東部と南部ではロシアとの結びつきが強い地域が存在します。2014年のウクライナ騒乱では、親露派勢力がウクライナ東部で分離独立を宣言し、中央政府との紛争が継続しています。

ウズベキスタン: ソ連崩壊後はロシア・西側諸国双方と良好な関係を築いていましたが、2005年のアンディジャン事件をきっかけに反欧米・親露へと政策転換。人権問題なども含め、倫理的に問題のある形でロシアとの関係強化が進んでいます。

ジョージア: ジョージアの南オセチアとアブハジアはロシアの影響下にある事実上の独立地域であり、「親露派分離派地域」として知られています。

ベラルーシ: 歴史的に親露傾向が強く、ベラルーシとロシアの連合国家構想も存在しました。プーチンの強権的な政策により関係が悪化した時期もありましたが、軍事同盟関係は非常に緊密です。ウクライナ侵攻においては、ロシア軍の軍事行動に協力するなど、ロシアへの依存を深めています。

モルドバ: モルドバの沿ドニエストル地域も親露地域です。

旧東側諸国

中国: 上海協力機構を通じてNATOに対抗するなど、ロシアと協調関係にあります。中ソ対立を経て現在はロシア寄りですが、ベトナムやインドなど反中的な国々へのロシアの軍事協力は、複雑な関係性を示しています。

北朝鮮: 建国以来、ロシアとの関係が深く、近年はさらに緊密化しています。

ベトナム: 中ソ対立においてもソ連寄りであり、近年は中国との対立を背景にロシア製兵器への依存度を高めています。

モンゴル: 社会主義時代はソ連と深い関係にあり、文字体系や外交政策においてソ連の影響を強く受けていました。

ブルガリア: ワルシャワ[[条約機構]]加盟国としてソ連と連携していましたが、現在はNATO加盟国でありながらも比較的親露的な傾向が見られます。

ハンガリー: ワルシャワ[[条約機構]]加盟国としてソ連と連携し、現在もオルバーン政権下で親露的な政策を取っています。

キューバ: キューバ革命以来、ロシアとの友好関係を維持しています。ソ連崩壊後の苦境を経て、近年は再び関係が緊密化しています。

第三世界

インド: 非同盟中立外交を貫きながらも、中ソ対立期には中国への対抗意識からソ連と協力。現在もロシア製兵器に大きく依存しています。

シリア: 長期にわたる親露路線を堅持し、ロシアはシリア内戦においてアサド政権を軍事的に支援しています。

欧州

ドイツ: 旧東ドイツの影響もあり、左派の一部に親露的な傾向が見られます。

トルコ: エルドアン政権下では、親露的な姿勢を示しつつ、ウクライナ紛争などでは対立する場面もあります。

アジア

日本: 一部の政治家や団体に親露的な傾向が見られますが、2022年ロシアのウクライナ侵攻以降、批判が高まっています。文化交流においても、ロシア文学やサブカルチャーなどを通じてロシアへの関心が存在します。

親ソ

日本: 日本共産党などが、かつては親ソ的な立場をとっていました。

まとめ

親露・親ソの感情は、歴史的背景、地政学的状況、経済的利益など、様々な要因が複雑に絡み合って形成されています。それぞれの国において、親露・親ソの度合い、その背景、そして国際社会における影響は多様であり、単純に一括りにすることはできません。それぞれの事例を詳細に検討することで、国際関係の複雑さと多様性を理解することが重要です。

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