反露

反露（はんろ）とは

反露とは、ロシアやその民族、文化に対する否定的な感情や偏見を表す言葉であり、この感情はロシア恐怖症とも呼ばれます。反露の対義語は親露であり、この二つの概念は密接に関連していますが、完全に同一ではありません。また、反ソという考え方も関連しており、冷戦時代以降、特に各国におけるその見解が異なることがあります。

概要

世界の多くの地域で、反共主義や反ソ主義と結びついていることが多く、反露と反ソは共通する部分もあるものの、ことなる側面も持っています。特に、ウクライナのような被侵略国における反露感情は、ロシアからの侵略に対する明確な抵抗として現れています。2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、反露感情は急速に広まり、ロシア語を話す人々すら攻撃や差別の対象となっています。

ロシアへの影響

ロシアは、ウクライナやジョージアなど旧ソ連地域に反露国家が成立することを深刻な脅威と感じています。このことがNATO加盟へと繋がることを懸念しているのです。2023年の終わりには、ロシア政府が反露感情に対する刑法の改正を提案しました。これにより、ロシア外の公的立場を利用して差別的な行為を行った者に対して責任を問うことができるようになりますが、具体的に何が差別的な行為に当たるのかが明確には示されていません。

反露組織

反露の立場を取る国々は多く、GUAM（ジオルジャ、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバ）という地域組織もその一例です。これらの国々は、領土問題や国家承認の問題でもロシアと対立しており、反露の枠組みが強固です。

各国における反露

－ 西欧諸国: NATO加盟国は一般的に反露国とされ、特にポーランドやバルト三国はその傾向が強い。ポーランドはロシアの過去の侵略による強い敵意を持っており、特にソビエト時代の執拗な干渉がその背景に活躍しています。

－ アメリカ: ソ連崩壊後も、シリア内戦などにおいては依然としてロシアとの関係は対立的です。

－ アジア: 日本は北方領土問題を抱えており、冷戦期以降特に反露感情が強くなっています。2022年のウクライナ侵攻を受け、反露志向は広がりました。

旧ソ連地域

ウクライナやジョージアは、突出した反露感情を持っており、ロシアによる侵略に抗う姿勢が強まっています。特にウクライナの西部では親欧米的な意識が強く、ロシアとの結びつきを軽視する傾向にあります。エストニアやラトビア、リトアニアも歴史的な背景から反露感情が根強い地域です。

中東やアフリカ

中東ではイランが反露的である一方、サウジアラビアはアメリカと結びついた反露的な姿勢を見せています。南アフリカは冷戦後、ロシアとの関係を強化しましたが、それは反アパルトヘイト闘争の結果です。

上述のように、反露感情は国や地域によってさまざまな形で現れています。この感情は歴史的背景や地政学的要因に基づき、依然として多くの地域で強固なものとなっています。

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