角川oneテーマ21

角川oneテーマ21の概要

角川oneテーマ21は、株式会社KADOKAWA内の角川書店ブランドカンパニーが展開していた新書シリーズで、1999年11月に創刊されました。特に広範なテーマを扱い、ビジネスや政治、経済、教養、スポーツなど多岐にわたる分野から具体的な知見を提供することを目指していました。このシリーズの装丁は、著名なデザイナーである緒方修一によるもので、視覚的にも魅力的に仕上げられています。

この新書シリーズは、毎月10日前後に新刊をリリースし、月あたり3〜5冊の刊行を行っていました。現代人向けに、必要な知識や情報を分かりやすく伝えることをモットーとしていました。特に、著名人や専門家による最新の見解をリアルタイムで提供することが特徴であり、読者にとって価値あるコンテンツを配信していました。

新書大賞と受賞歴

角川oneテーマ21は、中央公論新社が主催する新書大賞においても評価されています。2010年には、野中広務と辛淑玉による『差別と日本人』が、第2位に輝きました。また、続く2011年には藻谷浩介著の『デフレの正体―経済は人口の波で動く』も同じく第2位にランクインしました。さらには、2014年には藻谷浩介とNHK広島取材班の共著による『里山資本主義―日本経済は「安心の原理」で動く』が新書大賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

プロモーション戦略

このシリーズでは、WEBメディアのcakesと連携し、書籍のプロモーションとなるコンテンツを提供することも行っていました。他のレーベルに比べ、公式サイトには著者の動画メッセージが多く掲載されている点が営業面での特長です。また、毎月朝日新聞での告知宣伝も行い、幅広い読者へのアプローチを図っていました。

エレクトロニック出版への取り組みも活発で、ほとんどの新刊は発売日と同時に電子書籍としても配信され、有料コンテンツへのアクセスのしやすさも向上させていました。

統一されたレーベル名

2015年の新刊からは、KADOKAWAの他の新書レーベルである角川SSC新書やメディアファクトリー新書と合併し、号名を角川新書に統一しました。これにより、シリーズ全体のブランド力の強化が図られることとなりました。

主なベストセラー作品

角川oneテーマ21からは数々のベストセラー作品も輩出されています。その中でも羽生善治の『決断力』や藻谷浩介の『デフレの正体―経済は人口の波で動く』、野中広務／辛淑玉の『差別と日本人』などが特に人気を集めました。

また、山本七平の『日本はなぜ敗れるのか―敗因21カ条』や江副浩正の『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』、さらには池上彰の『先送りできない日本―“第二の焼け跡”からの再出発』など、多彩なテーマが多くの読者に影響を与えました。

結論

角川oneテーマ21は、その確かな情報提供と独自のプロモーション戦略で、多くの読者に支持されてきました。幅広いテーマを扱い、時代のニーズに応えた内容を提供することで、現代社会における知識の普及に寄与したシリーズだと言えるでしょう。

もう一度検索