角田宇宙センター

角田宇宙センターの概要

角田宇宙センターは、宮城県角田市に拠点を置く宇宙航空研究開発機構（JAXA）の研究施設です。このセンターは主に宇宙推進技術の研究と開発を行っており、液体ロケットエンジンの試験や新技術の開発に力を注いでいます。

センターの構成

センターは東地区と西地区に分かれており、それらは公道によって隔てられています。角田宇宙センターの起源は、1965年に設立された航空宇宙技術研究所（NAL）の角田支所に遡ります。1985年には宇宙開発事業団（NASDA）の角田ロケット開発室が設立され、この二つの研究所が後に統合されました。これにより、2003年にJAXAが設立され、角田宇宙センターも公式に誕生しました。

センターの土地は、第二次世界大戦以前は日本海軍の火薬廠があった場所で、現在はミリタリーの施設や工業団地も併設されています。

開発された技術

角田宇宙センターでは、これまでに多くの液体ロケットエンジンが開発されてきました。代表的なものには、LE-5およびその改良型LE-5A/LE-5B、さらにLE-7およびその改良型LE-7Aがあります。1980年代後半からは、スペースプレーンや再使用可能なロケットエンジンに対する研究も進められ、最近ではロケットエンジンとスクラムジェット技術の複合研究も行っています。

また、1999年3月には、世界最大規模の高温衝撃風洞が完成し、様々な試験を行うことができる施設として利用されています。

主要な設備

角田宇宙センターには、いくつかの主要な試験設備があります。液体水素ロケットエンジン要素試験設備や、高圧液酸ターボポンプ試験設備、ロケットエンジン高空性能試験設備、ラムジェットエンジン試験設備、高温衝撃風洞などが整備されています。これらの施設により、実際の運用を想定した多様な試験が実施されています。

宇宙開発展示室

センターには、一般公開されている宇宙開発展示室があります。この施設では、試験用ロケットエンジン、複合エンジン、ターボポンプ、燃焼器、ロケットの模型などが展示されています。
特筆すべきは、1999年の打ち上げ失敗後に回収されたH-IIロケット8号機のLE-7エンジンを展示している点で、他にも大型液体ロケットエンジンや燃料タンクも屋外に設置されています。入館料は無料で、誰でも見学することができます。

不祥事

角田宇宙センターに関連する不祥事も報告されています。2010年には、主任研究員が詐欺の容疑で逮捕される事件が起きました。本件では、当時25歳の派遣社員と共謀し、架空のプログラム発注を行い、不正に約97万円を得ていたとされます。

まとめ

角田宇宙センターは、JAXAの中でも特に重要な役割を果たしている施設であり、日本の宇宙開発技術の向上に寄与し続けています。その研究成果は、将来の宇宙探査や技術革新に大いに期待されています。

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