記田町

記田町：神戸市灘区の住宅地

記田町は、兵庫県神戸市灘区に位置する町名です。国道2号線沿いに4階から5階建てのビルが立ち並ぶ一方、多くの住宅地が広がり、静かな生活空間を形成しています。記田町は一丁目から五丁目まであり、東は石屋川を挟んで東灘区御影石町、南は東灘区御影塚町、西は高羽川を挟んで友田町、北は国道2号線を挟んで徳井町と隣接しています。

歴史と町名の由来

記田町の歴史は古く、明治初期の字限図には、現在の記田公園付近が徳井村字前田として記録されています。一方、記田の表記は「シル田」と記されており、『神戸の町名 改訂版』では、これは泥の深い田んぼを意味する「ジル田」の転訛ではないかと推測しています。明治8年の町名改変の際に、この「ジル田」を嫌って「記田」に改められ、「キダ」と発音されるようになったとされています。

また、記田町内には、西ノ上、馬場先、四ノ坪、五ノ坪といった小字名も残っており、四ノ坪と五ノ坪は条里制の名残と考えられています。明治8年の改組では、字平田を南北に分割し、南半分を前田、北半分を下小田中としました。そして昭和11年、前田と記田が合併して、現在の記田町が誕生しました。

別の資料『灘区の町名』では、「記田」は「気田」あるいは「喜田」の表記が過去にあった可能性や、「ケタ」（崖の上）の転化ではないかという説も提示されています。このように、記田町の町名には、歴史的な経緯と様々な解釈が重なり合っていることが分かります。

地価と人口

2014年1月1日時点の公示地価によると、記田町3丁目1番29号付近の住宅地の地価は、1平方メートルあたり23万円でした。これは、神戸市灘区における住宅地の地価水準を反映していると考えられます。

人口については、令和2年国勢調査（2020年10月1日現在）によると、世帯数1,001世帯、人口2,238人（男性1,049人、女性1,189人）でした。平成17年（2005年）には世帯数791世帯、人口1,868人、昭和63年（1988年）には世帯数607世帯、人口1,657人でした。この数値から、近年、記田町の人口は増加傾向にあることが分かります。

生活環境

記田町は、国道2号線に面した立地ながら、住宅地として落ち着いた環境を保っています。生活利便性と静けさを両立させた、住みやすい町と言えるでしょう。周辺には、商業施設や学校、公園なども点在し、生活に必要なインフラも整備されています。

まとめ

記田町は、歴史と現代が調和した、魅力的な町です。古くからの地名や地名の由来に秘められた歴史、そして現代的な都市機能が共存し、住む人々に快適な生活を提供しています。今後も、その発展が期待される地域の一つです。

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