訛里朶

訛里朶（オリド、完顔宗輔、後に完顔宗堯、1096年 - 1135年）は、金朝の皇族であり、初代皇帝である太祖・阿骨打（アクダ）の五男として生まれました。

生涯

妃である僕散氏（宣献皇后）の子として生まれた訛里朶は、『金史』によれば、威風凛々とした容貌を持ち、寛大で包容力のある人物だったと伝えられています。彼は家臣たちに対して恩顧を施すような政務を行い、その人望は非常に厚かったとされています。

1135年、南宋への討伐に向かう途上で病に倒れ、41歳でこの世を去りました。訛里朶の訃報を聞いた家臣たちは、皆が涙を流して悲しんだと言われています。彼の死は、多くの人々に惜しまれました。

その後、長男である葛王・烏禄（ウル）が、暴君として知られていた従兄の迪古乃（テクナイ、後の海陵王）を廃位し、第5代皇帝・世宗として即位しました。世宗は、父である訛里朶に対して睿宗の廟号と立徳顕仁啓聖広運文武簡粛皇帝の諡号を贈り、大房山に丁重に葬り、「景陵」と名付けました。これは、父に対する世宗の深い敬意と感謝の表れと言えるでしょう。

宗室

妻妾:

正室：欽慈皇后（蒲察氏、女真族出身）
側室：貞懿皇后（李氏、渤海人）、高巧姝（靖康の変で捕虜となった女性）

子女:

葛王 烏禄（後の世宗）
斉王 吾里補
楚国公主
冀国公主
* その他多数

訛里朶は、金朝の初期において重要な役割を果たした皇族の一人であり、その人柄と功績は後世にまで語り継がれています。特に、息子である世宗が名君として知られるようになった背景には、父である訛里朶の教育や影響があったと考えられています。

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