試製対空戦車 ソキ

試製対空戦車 ソキ（しせいたいくうせんしゃ ソキ）

試製対空戦車ソキは、大日本帝国陸軍が第二次世界大戦中に開発した対空車輌です。この戦車は、主に航空攻撃に対抗することを目的としており、特に搭載火砲には20mm機関砲の連装タイプであるソキ砲II型が使用されています。また、ソキは時折ソキ車とも呼ばれることがあります。

開発の背景

日本陸軍は、1930年代から航空機技術の進展に対抗するための対空戦斗車を求めていました。最初に試作されたのは、九八式軽戦車を基にした試製対空戦車タセで、1941年に開発が始まりましたが、射撃精度や射手の体勢に問題があり、不採用となりました。

その後、航空攻撃に迅速に対応可能な車両の開発が続けられ、銅金義一中佐を中心に二式二〇粍高射機関砲の連装に基づく設計が進められました。このアイデアにより、戦車部隊が航空機に対抗するための新しい手段が模索され、1941年から開発が始まりました。

構造の特徴

ソキの基礎となった車体は九八式軽戦車であり、車体上部の構造には大幅な変更が施されています。特に、砲塔が撤去され、操縦室が上方へ拡張されました。戦闘室は連装機関砲の下部を覆い、砲手と装填手の座席を設けています。また、戦闘室の側面には開放可能な装甲板が設置されており、これにより乗員の作業が容易になるよう配慮されています。

戦闘室の中央には防楯付きのソキ砲II型が搭載されており、360度の旋回が可能です。この砲は毎分300発を発射でき、高度約2000mまでの航空機に対抗することができます。この設計により、戦闘能力の向上が図られました。

機関と性能

ソキには統制型一〇〇式ディーゼルエンジンが搭載されており、130馬力の出力を誇ります。変速機は前進4段、後進1段で、時速50km/hという移動速度を実現しています。この性能は、原型となった九八式軽戦車のモバイル性を受け継いでいます。

また、ソキの装甲には平滑な装甲板が溶接で組み合わされており、鋲接を用いることで防御力の維持が図られています。これらの工夫は、当時の技術的制約を乗り越えるための努力の表れといえるでしょう。

登場作品

この試製対空戦車ソキは、ゲーム『War Thunder』に登場しており、プレイヤーは日本陸軍の対空車輌としてこの機体を体験することができます。このように、ソキは歴史の中で一定の存在感を有し続けています。

参考文献

• - 高橋昇『日本陸軍が試作した対空戦車/自走砲』PANZER 2008年3月号、アルゴノート社
• - 荒木雅也『日本陸軍九八式/二式軽戦車』PANZER 2010年3月号、アルゴノート社
• - 佐山二郎『機甲入門』光人社NF文庫、2002年。ISBN 4-7698-2362-2

関連項目

• - 大日本帝国陸軍兵器一覧

以上のように、試製対空戦車ソキは日本陸軍の航空攻撃への対応策として重要な役割を果たし、その独特な設計と技術が後世にわたって注目されています。

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