誰が為に鐘は鳴る

映画『誰が為に鐘は鳴る』の概要

『誰が為に鐘は鳴る』（原題: For Whom the Bell Tolls）は1943年に公開されたアメリカの戦争映画です。この作品は、アーネスト・ヘミングウェイの同名小説を基にしており、監督はサム・ウッドが手掛けています。主演にはゲイリー・クーパーとイングリッド・バーグマンが名を連ねており、戦争を背景にした愛と友情の物語が描かれています。

あらすじ

物語はスペイン内戦中、義勇軍として戦いに参加しているロベルトが主人公です。彼はゴルス将軍の命を受けて、フランシスコ・フランコの軍の橋を爆破する任務を担います。ロベルトはジプシーのアンセルモと共に、山間部に潜む山賊パブロに協力を求めますが、彼は戦いへの興味を失っており、協力を拒否するのです。

パブロの態度に失望した妻のピラーは、自らジプシーたちをまとめて作戦に参加することを決めます。作戦には脱出用の馬が必要ですが、パブロは馬の提供を渋る上、吹雪の夜に姿を消してしまいます。ピラーたちはパブロの行動に後悔を覚えつつ、ロベルトはジプシーたちのリーダー、エルソルドに協力を求めます。エルソルドはフランコ軍から馬を強奪する計画を立て、パブロも改心して協力を申し出ます。

馬を強奪するミッションが成功したものの、フランコ軍に追撃されてしまいます。ロベルトたちは偵察中にフランコ軍に遭遇する危機に陥りますが、エルソルドたちの機転で回避します。ジプシーたちはエルソルドを救おうとしますが、ロベルトは作戦を優先し、救助は拒否します。これが原因で、エルソルドたちは戦死してしまいます。

その後、パブロは恐怖心からアジトに戻り、ロベルトが用意した爆弾の起爆装置を壊してしまいます。ロベルトは作戦を中止せざるを得なくなり、ゴルツ将軍にその旨を報告しますが、報告が遅れ、部隊は既に出発してしまいます。ピラーと他のメンバーは作戦の続行を訴え、パブロが戻ってきて「今度こそ協力する」と申し出ます。ロベルトは説得を受け、手動で爆弾を起動させる新たな計画を立案します。

作戦が再開され、ロベルトたちは橋の警備隊との銃撃戦を展開しながら爆弾を設置します。しかし、フランコ軍の戦車部隊が接近し、仲間たちが次々と犠牲になってしまいます。最終的にロベルトは橋を爆破することに成功しますが、自身はフランコ軍の砲撃で負傷し、馬に乗ることができなくなります。彼は仲間たちを守るために戦場に留まり、マリアに別れを告げて戦いに臨むのです。

この映画は愛と勇気、そして戦争の悲劇を描いた感動的な作品であり、観客に深い印象を残します。戦争の中での人間関係や選択の難しさが浮き彫りにされ、登場人物たちの葛藤が観る者の心を掴んで離しません。

主なキャストと受賞

この映画には新たな才能が結集しており、アカデミー賞では数々の部門にノミネートされました。助演女優賞を受賞したカティーナ・パクシヌーはその演技力で高く評価され、ゲイリー・クーパーとイングリッド・バーグマンも主演として注目を浴びました。

DVDと版権情報

パラマウント映画が製作した本作は、後に版権が売却され、ユニバーサル・ピクチャーズから正規版DVDがリリースされています。日本国内では著作権が完全に終了したため、複数の会社から廉価版DVDが出回っていることでも注目を集めています。

この作品は、戦争映画の傑作としてきっと多くの人々に愛され続けるでしょう。

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