調所一郎

調所一郎（ずしょ いちろう）は、1960年生まれの刀剣刀装研究家、コンサルタントです。薬丸自顕流顕彰会の顧問を務めるほか、スプラウトグループ株式会社の取締役として活動しています。

生い立ちと経歴

桐蔭学園高等学校を経て慶應義塾大学経済学部に進学。大学在学中に父親の会社倒産を経験し、経済的に苦しい時期を過ごしますが、持ち前の人脈を活かして高収入を得ていました。卒業後、コンサルティング会社を設立し、医療法人や予備校などをクライアントに持ちました。

刀剣研究への道

島津興業が経営する尚古集成館で刀剣に触れたことをきっかけに、刀剣刀装研究の道へ進みました。以降、経済や歴史研究家としても活動し、執筆や講演活動を精力的に行っています。

2005年には鹿児島県歴史資料センター黎明館で企画展「薩摩拵 -武の国の刀装-」を、2007年には「薩摩刀 波平 -武の国の刀工-」を企画しました。特に薩摩拵の研究においては第一人者として知られ、著書『薩摩拵』は複数回にわたり改訂版が出版されています。

財政問題への提言

刀剣研究の傍ら、日本の財政問題にも関心を寄せ、『永久国債の研究』を財務官僚の松田学氏らと共著で出版し、財政破綻回避のための提言を行っています。

家系

調所廣郷の7代目の子孫にあたります。父・廣志は先祖との訣別を意図し、息子たちの名前に「廣」の字を使いませんでした。母方は幕臣、佐幕派の家系で、曾祖父には大正から昭和初期の内務省官僚で朝鮮総督府平安南道知事を務めた安武直夫がいます。

現在の活動

現在は元鹿児島県工業試験場長の野元堅一郎氏に師事し、薩摩焼の研究に取り組んでいます。また、鹿児島県から薩摩大使を委嘱され、地域の魅力発信にも貢献しています。

調所廣郷の墓は、一時東京に移されていましたが、2001年に調所一郎氏と弟の謙一氏によって、福昌寺跡墓地に分骨改葬され、遺骨・遺髪が70年ぶりに里帰りしました。

著書

『薩摩拵』（里文出版）2003年初版、2007年改訂増補新版
『永久国債の研究』（光文社）2009年初版、2016年第3刷
『刀と日本語』（里文出版）2015年初版、2016年第二版、2020年第三版
『西郷隆盛という生き方』（里文出版）2017年（桐野作人と共著）

関連人物

調所廣郷
山崎和之
松田学
野元堅一郎
* 吉田秀雄

調所一郎は、刀剣研究家としての顔を持つ一方で、歴史、経済、文化など幅広い分野で活動する人物です。自身のルーツである薩摩への深い愛情と知識を活かし、多方面で活躍を続けています。

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