請川卓

請川卓（うけがわ たかし）について

請川卓（1899年12月16日 - 1960年3月24日）は、日本の実業家であり、また男子テニス選手としても著名な人物です。彼は香川県三豊郡紀伊村、現観音寺市の出身で、高等教育は旧制香川県立三豊中学校（現在の香川県立観音寺第一高等学校）を経て、早稲田大学政治経済学部を卒業しました。

経歴の初期

1924年に早稲田大学を卒業した後、請川は明治生命保険に入社しましたが、わずか1年で故郷に戻りました。その後、1928年に七宝無尽株式会社の監査役に就任し、翌年には社長に昇進しました。また、大阪市の日本科学研究所の所長や紀州田辺市の日本木材株式会社の社長も兼任し、幅広い経営経験を積みました。

政治活動と地域貢献

1939年には香川県議会議員に当選し、地元自治体の発展に努めました。1943年には丸亀・七宝・香川第一・讃岐・旭の5無尽会社を統合して香川無尽株式会社を設立し、初代社長に就任します。同じ年の2月1日には香川県三豊郡紀伊村の村長も務めることとなり、村政にも関与しました。

戦後の金融業界での影響

第二次世界大戦の後、1951年には相互銀行法施行に伴い香川相互銀行に社名を変更し、社長として就任しました。彼は戦前から戦後にかけての急変動する日本の金融状況の中で、一般市民の貯蓄促進に尽力しました。また、地域の産業育成にも積極的に関わりました。1952年から1958年までの間は四国相互銀行協会の会長としても活動しています。

テニス選手としての業績

請川は早稲田大学のテニス部でも活躍し、特に大学在学中には「東洋のチルデン」と称されるほどの選手でした。1924年には第3回全日本テニス選手権男子ダブルスで優勝し、また第6回毎日テニス選手権男子シングルスでも優勝を果たしました。さらに、デビスカップの日本代表にも選出されています。

賞と勲章

彼の業績は評価され、1956年には黄綬褒章を授与され、1960年には従六位勲六等瑞宝章を受章しました。これらの栄典は、彼の地域社会への貢献や金融業界における功績を反映したものです。

請川卓の人物像は、実業家としての活動のみならず、地域貢献やスポーツ選手としての側面にも色濃く表れるものであり、彼の生涯は多面的な成功によって彩られています。

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