諸富駅

諸富駅（もろとみえき）

諸富駅は、かつて佐賀県佐賀郡諸富町（現在の佐賀市）に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）佐賀線の駅でした。佐賀線の廃止に伴い、1987年3月28日に惜しまれつつ廃駅となりました。所在地名である「諸富」は「もろどみ」と読みますが、駅名は「もろとみ」と読みます。

歴史

1935年（昭和10年）5月25日：国鉄佐賀線の佐賀～筑後大川間が開業した際に、一般駅として開業しました。
1971年（昭和46年）10月20日：荷物の取り扱いを廃止し、旅客駅としては無人駅となりました。
1984年（昭和59年）2月1日：貨物の取り扱いも廃止されました。
1987年（昭和62年）3月28日：佐賀線全線が廃止されたことに伴い、諸富駅もその役割を終え、廃駅となりました。

駅構造

廃止時、諸富駅は多数の側線を持ち、相対式ホーム1面2線を有する列車交換が可能な駅でした。運転要員は配置されていたものの、営業上は無人駅でした。しかし、駅の最晩年には出札が復活し、硬券乗車券や廃止記念入場券が発売され、多くの鉄道ファンが訪れました。
また、瀬高駅方面には1970年代頃まで、味の素九州工場の専用引き込み線が存在していました。この引き込み線は、駅の貨物輸送において重要な役割を果たしていました。

駅跡

廃駅後、その跡地は町立体育館（現在の佐賀市立諸富文化体育館）や産業振興会館として再利用されています。駅のホームや線路といった当時の構造物は残念ながら残っていませんが、駅の歴史を伝える写真付きの記念碑が建てられています。この記念碑は、かつてこの場所に駅が存在したことを静かに物語っています。

隣の駅

日本国有鉄道

佐賀線

光法駅 - 諸富駅 - （筑後川信号場） - 筑後若津駅


諸富駅は、佐賀線の一翼を担い、地域住民の生活や産業を支えた重要な駅でした。その役割は終えましたが、駅の存在は人々の記憶の中で今も生き続けています。

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