講談社Birth

講談社Birth：才能の芽吹きを支援した文芸レーベル

講談社Birthは、講談社文芸X出版部が2009年5月に創刊した文芸書レーベルです。若手作家の発掘・育成を目的とし、原稿用紙200～400枚程度の長編小説を毎月公募していました。応募資格は20代まで（29歳まで）に限定されていました。

概要

講談社の文芸雑誌『ファウスト』の成功を受け、その対抗レーベルとして企画された『FICTION ZERO / NARRATIVE ZERO』を母体として誕生しました。小説だけでなく、カバーアートも公募していた点が特徴です。刊行作品の表紙には、カバーアート部門の最終選考通過者のイラストが主に採用されていました。

小説・イラストの公募は2008年末から2011年5月末まで、全30回にわたり実施されました。3年間で小説・イラスト合わせて100人の新人を輩出することを目標としていました。

選考プロセスは迅速で、毎月末に締め切られた後、約3週間で一次選考通過作品が発表され、締め切りの1ヶ月後には最終結果が発表されました。一次選考通過作品や一次選考次点作品には、編集部からのコメントが公式サイト上で公開されていました。

「イラスト部門」は、第11回募集分より「カバーアート部門」へと名称が変更され、写真、オブジェ、コラージュなど、より自由な表現方法が認められるようになりました。

講談社Birthカフェ

講談社Birthは、読者や応募者との交流を深めるため、スワンカフェ銀座店と協力して「講談社Birthカフェ」を2度開催しました。

第1回

2009年10月13日～24日に開催され、新人イラストレーターの作品展示や、小説家・イラストレーターを目指す人のためのイベント、講談社Birthからデビューした新人をPRするイベントなどが行われました。

持ち込みカフェ：小説・イラストの持ち込みを受け付け、質疑応答を行いました。
小説家・イラストレーターを目指す講談社Birth世代のためのQ&A
装幀家・菊地信義トークショー
ひらたひろと「和製ぱんぐらむの世界」
竹谷嘉人&虎硬「LIVEペイント」
石平ひかり「幸せが飛び出す『すごろく』トーク」
三角みづ紀「詩う朗読with パーカッション」

第2回

2010年5月24日から6月26日まで開催されました。

関連情報

講談社では、講談社Birthの他にも、様々な新人文学賞を主催しています。

メフィスト賞：広義のエンターテインメント作品を募集
ファウスト賞：応募者を1980年以降生まれに限定
講談社BOX新人賞：エンターテインメント小説とイラストを募集
* 群像新人文学賞：文芸作品を募集

講談社Birthは、短期間での活動でしたが、多くの若手作家・イラストレーターにチャンスを与え、文芸界に新たな風を吹き込みました。その功績は、日本の文芸史に刻まれています。

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