謝名利山

謝名 利山（じゃな りざん）について

謝名利山、またの名を謝名親方（じゃなうぇーかた）は、1549年に生まれ、1611年に亡くなった琉球王国の政治家である。彼は特に対日本外交において強硬な姿勢を保ち、歴史に名を刻むこととなった。

利山は琉球王国の統治家族の一員であり、久米村（現在の那覇市久米）の出身である。彼は鄭氏と呼ばれる一家の末裔で、父は鄭禄という人物である。1565年、わずか16歳の時に官生として明に留学し、その後、南京の国子監に入学した。この留学は、彼の政治的キャリアを形成する重要な一歩となった。1572年に帰国した利山は、その後、都通事としての役職を経て長史に就任し、数度にわたり進貢使者として中国へ渡航した。

1580年には、久米村の総理唐栄司という役職に就き、役人としてのキャリアを積んでいく。1602年、仙台藩領に漂着した琉球船の件がきっかけで、彼は徳川家康の命令により、送還されることとなった。これ以後、家康への礼を表す使者を幾度となく求められるようになる。

1605年には、法司官の城間親方盛久を讒言し、彼の地位を奪うことで、謝名自身がその地位に就く。政治的な権力を手に入れた利山は、その後の日本との外交においてますます積極的な姿勢を見せる。

1608年9月、島津家久が交流を求めるリクエストを出すが、謝名はこれに対して侮蔑的な態度を示し、結果的に家久との関係は悪化。薩摩藩は琉球を征伐する決定を下す。1609年の侵攻時には、彼の行動に関しては詳細が不明であるが、一次史料には彼が三司官の一人として名を連ねている。

琉球の防衛において、謝名は3000人の兵士を率いて戦ったとの記録もあるが、その記述には矛盾も見られ、真実は定かではない。「琉球入ノ記」や「歴代宝案」の記録が異なるため、彼がどのように戦ったかのの詳細は不明である。

1611年9月19日、彼は薩摩藩から尚寧王と三司官に起請文が提示されるが、唯一彼だけが屈服せず署名を拒否。この振る舞いに対し、薩摩藩は謝名を処刑することを決定し、斬首されることとなった。彼の最期は、沖縄の歴史における重要な一幕となった。

謝名の言動により、琉球は大きな変動を前にし、その結果として彼自身が処刑されたことで、その後の琉球王国の運命に影響を与えたと言える。彼の故郷である久米村には、同族によって建てられた顕彰碑があり、彼の存在を今でも伝えている。利山はその生涯を通じて、琉球王国と日本との関係の中で重要な役割を担った政治家として記憶されている。

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