謝弼

謝弼（しゃ ひつ、生没年不詳）は、後漢 시대（ごかん じだい）の官僚（かんりょう）。字（あざな）は輔宣（ほせん）。本貫（ほんかん）は東郡（とうぐん）東武陽県（とうぶようけん）。

その人となりは、実直（じっちょく）で公正（こうせい）であり、郷里（きょうり）では宗師（そうし）と仰（あお）がれるほどであった。169年（建寧2年）、霊帝（れいてい）が有道（ゆうどう）の士（し）を推挙（すいきょ）するよう詔（みことのり）を下（くだ）すと、謝弼は陳敦（ちん とん）や公孫度（こうそん ど）とともにこれに応（こた）え、みな郎中（ろうちゅう）に任（にん）じられた。

当時（とうじ）、青蛇（せいだ）が洛陽（らくよう）の前殿（ぜんでん）に現（あらわ）れ、大風（たいふう）によって木（き）が抜（ぬ）けるといった怪事（かいじ）が相次（あいつ）いだ。霊帝はこれらを憂（うれ）い、公卿（こうけい）以下（いか）に詔を下してその得失（とくしつ）を論（ろん）じさせた。謝弼は、これらの妖異（ようい）を天（てん）の譴責（けんせき）とみなし、姦臣（かんしん）を排除（はいじょ）し、陳蕃（ちん ばん）・王暢（おうちょう）・李膺（りよう）らを朝政（ちょうせい）に復帰（ふっき）させるよう求（もと）めた。

この意見（いけん）が霊帝の側近（そっきん）であった宦官（かんがん）たちの怒（いか）りを買い、謝弼は広陵府丞（こうりょうふしょう）に左遷（させん）されることとなった。謝弼はこれに従（したが）わず、官（かん）を去（さ）って家に帰（かえ）った。

その後、中常侍（ちゅうじょうじ）の曹節（そうせつ）の従子（じゅうし）である曹紹（そうしょう）が東郡太守（とうぐんたいしゅ）となると、謝弼を以前から憎（にく）んでいた曹紹は彼を収監（しゅうかん）させた。謝弼は拷問（ごうもん）を受（う）け、ついに獄中（ごくちゅう）で死去（しきょ）した。

191年（初平2年）、司隷校尉（しれいこうい）の趙謙（ちょうけん）が謝弼の忠節（ちゅうせつ）を訴（うった）え、その名誉回復（めいよかいふく）を求めた。これにより、曹紹は収監され、斬（き）り捨（す）てられ、その首（くび）は棄市（きし）に処（しょ）せられた。

謝弼の人物像

謝弼は、その実直さと公正さで知られ、人々から尊敬を集めた人物であった。彼は、時の権力者である宦官に屈することなく、自らの信念を貫き通した。彼の死は、多くの人々に悲しみを与えたが、その忠義心は後世に語り継がれている。

参考文献

* 『後漢書』巻57 列伝第47

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