證誠寺 (木更津市)

證誠寺（しょうじょうじ）

證誠寺は、千葉県木更津市富士見に位置する浄土真宗本願寺派の寺院です。山号は護念山。

所在地と交通

所在地: 千葉県木更津市富士見2-9-30
交通: JR内房線「木更津駅」西口から徒歩10分。矢那川のほとりにあり、すぐそばには證誠寺橋が架かっています。

境内

境内には、本堂の他、狸塚や狸ばやし童謡記念碑などがあります。

證誠寺の狸伝説

證誠寺は、古くから伝わる『狸囃子』伝説で有名です。この伝説は、『分福茶釜』（群馬県館林市）や『八百八狸物語』（愛媛県松山市）と並び、日本三大狸伝説の一つに数えられています。伝説の成立時期は不明です。

伝説の内容は、秋の夜に寺の和尚と多くの狸が庭で囃子合戦を繰り広げ、夜明けには腹鼓を打っていた大狸が腹を破いて死んでしまうという、ユーモラスでありながらも哀愁漂う物語です。境内には、この伝説に登場する腹を破って死んだ大狸を供養するために作られたとされる狸塚があります。

この伝説を元に、詩人の野口雨情が作詞、中山晋平が作曲し、1924年（大正13年）に童謡『証城寺の狸囃子』が発表されました。

狸伝説のあらすじ

昔、證誠寺の辺りは「鈴森」と呼ばれ、竹やぶが生い茂る昼でも薄暗い場所でした。そこには、一つ目小僧やろくろ首などの妖怪が現れるという噂がありました。

ある日、證誠寺に新しい和尚がやって来ます。その晩から噂通り、一つ目小僧やろくろ首などの妖怪が現れますが、和尚は全く驚きません。実は、これらの妖怪の正体は、森に住む狸たちでした。彼らは、一つ目小僧やろくろ首に化けて人々を驚かせて楽しんでいたのです。しかし、新しく来た和尚が全く驚かないため、狸たちは面白くなく思い、親分格の大狸は和尚を驚かせてやろうと考えます。

ある秋の晩、寺の庭が騒がしいことに和尚が気付きます。庭を覗いてみると、大狸が腹を叩いて音頭を取り、周りの多くの狸たちが楽しそうに歌い踊っていました。その様子を見ていた和尚も楽しくなり、三味線を持って庭に出ます。狸たちは「まだ驚かないのか」とばかりに、さらに大きく腹鼓を鳴らし、和尚も三味線で対抗し、まるで和尚と狸の音曲合戦のようになります。

それから毎晩、和尚と狸たちは歌い踊っていましたが、4日目の晩に狸たちが現れません。翌朝、和尚が庭を見ると、腹鼓を打っていた大狸が腹を破って死んでいました。和尚はその大狸を丁寧に弔いました。

イベント

毎年10月中旬には、地元の小学生が狸伝説を模して踊る狸まつりが開催されます。

関連事項

証城寺の狸囃子
きさポン - 木更津市のマスコットキャラクター。狸伝説がモチーフ。
狸小路商店街（北海道札幌市） - 本陣狸大明神社に祀られている夫婦狸の雌「かずさ御前」の実家が證誠寺。

外部リンク

證誠寺のホームページ

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