識名園

識名園（しきなえん）

識名園は、沖縄県那覇市真地にある琉球庭園で、琉球王府の別邸として造られました。識名御殿（しきなうどぅん）や、首里城の南に位置することから南苑（なんえん）とも呼ばれていました。

歴史

識名園の造園は、第二尚氏王朝の尚穆王の時代に始まったとされていますが、正確な時期は不明です。1799年、尚温王の時代に完成しました。中国の様式と沖縄独自の様式が融合した折衷様式で建てられており、完成当時は中国皇帝からの使者である冊封使をもてなす迎賓館として利用されました。

園内には「勧耕台」と呼ばれる展望台がありますが、海を望むことはできません。これは、琉球をより大きな国に見せるための意図があったとも言われています。

第二次世界大戦で園内の多くの建造物が破壊されましたが、1975年から1995年にかけて復元工事が行われ、現在の姿を取り戻しました。1941年に国の名勝に指定され、戦後の1976年に再指定、2000年には国の特別名勝に指定され、同年にユネスコの世界遺産にも登録されました。

現在の識名園

現在では、市民の憩いの場として親しまれており、毎年11月3日には識名園歌会が、11月第4日曜日には識名園友遊会が開催され、多くの人々で賑わいます。また、園内には「育徳泉」という泉があり、そこに生息する淡水産の紅藻類「シマチスジノリ」は国の天然記念物に指定されています。

園内の主な建造物

正門
番屋
育徳泉
御殿
心字池／六角堂
中国風の石橋
勧耕台

アクセス

路線バス

識名園前には、以下の路線バスが停車します。

2番（識名開南線）：那覇バス
3番（松川新都心線）：那覇バス
5番（識名牧志線）：那覇バス
14番（牧志開南循環線）：那覇バス（牧志先回り/開南先回り）

モノレール県庁前駅から

東南側の沖銀本店前・国際通りのてんぶす前・安里・大道からは、5番、14番のバスで「識名園前」下車、徒歩約2分です。
東南徒歩5分の県庁前・開南方面からは、2番、14番のバスで「識名園前」下車、徒歩約1分です。

その他

泊高橋、那覇新都心（おもろまち一丁目）・大道方面からは、3番のバスで「識名園前」下車、徒歩約1分です。

注意点: 識名園前交差点（信号のある四つ角）から見ると、2番と3番のバス停は西側にありますが、5番と14番のバス停は北側にあります。

関連情報

琉球王国のグスク及び関連遺産群
日本の世界遺産
特別名勝
沖縄県の観光地

外部リンク

識名園　那覇市文化財課)
識名園 - 国指定文化財等データベース（文化庁）)
* 沖縄観光チャンネル（識名園）)

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