那覇新都心

那覇新都心

那覇新都心は、沖縄県那覇市の北部に位置する再開発地区です。かつて米軍の住宅地であった場所が、返還後に大規模な都市開発によって生まれ変わりました。那覇市の新たな都心として、商業施設や公共施設が集積し、多くの人々が訪れる活気あるエリアとなっています。

地理と概要

那覇新都心は、那覇市天久、おもろまち、銘苅、上之屋などにまたがり、安謝川の流域に位置しています。西側は国道58号、北側は安謝川と沖縄県道82号、東側は国道330号と沖縄都市モノレール線に囲まれています。南側には崖があり、那覇市中心部とは標高差があります。この崖のふもとには安里川が流れており、中世以降にこの川の土砂によって陸地化した地域です。

総面積は214ヘクタールに及び、そのうち192ヘクタールはかつての米軍基地「牧港住宅地区」の跡地です。地域振興整備公団（旧産炭地域振興事業団）が土地区画整理事業を行い、総事業費約1,110億円をかけて造成しました。2004年には全建賞都市部門を受賞しています。

那覇市中心部は空港の制限区域内にあるため高層ビルの建設が難しいですが、新都心は制限区域外に位置し、モノレールの駅にも近いため、高層ビルが複数建設されています。2017年時点で、沖縄県内で最も高い高層ビル（高さ104.8m）もこの地域にあります。

町丁名

那覇新都心には以下の町丁名があります。

おもろまち1 - 4丁目
銘苅1 - 3丁目
安謝1・2丁目
天久1・2丁目
上之屋1丁目

「おもろまち」という町名は、公募によって決定され、1999年に住居表示が実施されました。この名称は、沖縄方言で「思い」を意味する「おもろ」に由来します。その他の地域は、旧字名から採用されています。

歴史

那覇新都心の歴史は、沖縄戦と米軍基地の存在が深く関わっています。

1945年：シュガーローフの戦いなど、沖縄戦の激戦地となる。
1953年：米軍が住民に強制立ち退きを命じ、土地を接収。
1973年：アメリカ政府と日本政府の間で牧港住宅地区の返還が合意される。
1987年：全面返還が実現。

その後、那覇新都心としての開発が始まり、以下のような変遷をたどりました。

1988年：土地区画整理事業の都市計画が決定。
1994年：那覇新都心株式会社が設立。
1997年：那覇中環状線が開通し、一部が一般開放。
1998年：沖縄県立那覇国際高等学校が開校。
2000年：沖縄振興開発金融公庫が移転、天久りうぼう楽市が開店。
2002年：沖縄タイムスが移転、サンエー那覇メインプレイスが開店。
2003年：沖縄都市モノレールが開通、おもろまち駅が設置。
2004年：沖縄県立博物館・美術館が着工。
2005年：DFSギャラリア・沖縄が開店。
2007年：沖縄県立博物館・美術館が開館。
2008年：内閣府沖縄総合事務局が移転。
2009年：那覇市役所が仮庁舎へ一時移転。

主要な施設

那覇新都心には、行政機関、経済機関、教育機関、商業施設など、様々な施設が集まっています。

行政機関：那覇第2地方合同庁舎、沖縄職業総合庁舎（ハローワーク那覇）、那覇市役所銘苅庁舎、那覇市消防局、那覇市水道局など。
経済機関：沖縄振興開発金融公庫、那覇新都心株式会社自社ビル、日本銀行那覇支店、那覇市ITインキュベート施設、日本郵便那覇新都心郵便局、各種銀行の支店など。
教育機関：那覇市立銘苅小学校、那覇市立天久小学校、沖縄県立那覇国際高等学校、沖縄県立博物館・美術館など。
商業・レクリエーション施設：天久りうぼう楽市、サンエー那覇メインプレイス、シネマQ、コープ沖縄「あっぷるタウン」、Tギャラリア沖縄 by DFS、新都心公園など。

計画中止となった施設

過去には、郵便貯金会館、ダイエー、那覇市役所新庁舎、台湾・福華大飯店系列のホテル、地球環境センタービルなど、様々な計画がありましたが、実現には至りませんでした。

交通

那覇新都心は、モノレールとバスが利用できます。

モノレール：沖縄都市モノレール線（ゆいレール）のおもろまち駅と古島駅。
* 路線バス：おもろまち駅前広場から、那覇市内や市外を結ぶ多くの路線バスが発着しています。新都心内にも複数のバス停があります。

まとめ

那覇新都心は、沖縄戦後の米軍基地跡地を再開発して誕生した、那覇市の新たな都心です。商業施設や公共施設、高層ビルなどが集まり、多くの人々が訪れる活気あるエリアとなっています。交通アクセスも良く、県内でも重要な拠点の一つです。

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