警視正

警視正（けいしせい）

警視正は、日本の警察における重要な階級であり、警察法第62条に定められています。これは、警視総監、警視監、警視長に次ぐ第4位の階級です。警視正は、都道府県警察に所属する警察官の中でも特に重要な役割を果たします。

階級の位置と役割

警視正は日本の警察官の中でわずか0.2%という特異な位置にあり、下位の警視は3%、警部が5%、その下の警部補以下は92%を占めています。警視正以上の階級は、警察法第56条第1項に基づき一般職国家公務員（地方警務官）とされ、国家公安委員会がその任免を行います。昇任は選考によって進められ、その選考基準は厳格です。

任官のプロセス

警視正に昇任するには、主に二つのルートがあります。一つは、国家公務員試験の総合職試験、すなわち旧I種試験に合格したキャリア組の警察官で、採用後約15年で昇任が可能です。また、一般職試験（大卒程度）、旧II種試験に合格した準キャリア組は、採用後約25年での昇任を目指します。非キャリア組である地方公務員として採用された警察官は、最短でも50代で昇任することになります。

役職に関する情報

警視正は様々な役職を担うことが求められます。警察庁内部では室長や理事官、調査官として、地方機関では管区警察局の部長、主要課長としても活動します。また、警察大学校や皇宮警察本部などでも重要な役職に就くことがあります。特に、警視庁では方面本部長や重要な部門の主要課長として大きな影響力を持ちます。さらに、大規模な警察署の署長として地域の治安維持に直接関与することもあります。

主な人物と事件

警視正の階級にあった者の中でも、特に重要な役割を果たした例がいくつかあります。1969年の東大安田講堂事件では、佐々淳行が警視庁警備部警備第一課長として活躍しました。また、1995年には寺尾正大がオウム真理教事件で、2001年には有働俊明がレッサーパンダ帽男殺人事件で、それぞれ警視庁刑事部捜査第一課長として重要な役職を務めました。

階級章について

警視正の階級章は、横板に両側の桜葉が金色で装飾されています。警察内部では「けいしまさ」と呼ばれることがあるのは、無線連絡時の誤解を避けるためです。

警視正という階級は、警察制度において非常に重要な役割を果たしており、その職務や責任は幅広い範囲にわたります。それぞれの任務を遂行する中で、地域社会の安全を守るために尽力しています。

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