議院規則

議院規則について



議院規則（ぎいんきそく）とは、日本の衆議院と参議院（またはその前身である貴族院）が、それぞれの内部手続きや規律を整備するために制定した規則です。これらの規則は、日本国憲法第58条に基づいており、旧大日本帝国憲法では第51条がその根拠とされています。

議院規則の法的位置づけ


議院規則は広義には法令に含まれていますが、天皇による公布の対象にはならず、通常は官報の国会事項欄に掲載されるのが通例です。基本的な事項は現国会法（昭和22年法律第79号）または旧議院法（明治22年法律第2号）に規定されていますが、議院規則はそのための詳細な規則を提供する役割を果たしています。

日本国憲法の下では、法律の効力関係の中で内閣が法案を提出でき、議決において衆議院の優位性が認められています。このため、議院規則も法律の規定に従う必要があります。特に、議院（参議院）の自律権を守るために、日本国憲法第58条第2項では「会議その他の手続及び内部の規律」について、議院規則が独占的に所管する旨が述べられています。

議院規則は、全ての関係者に対して適用され、議員以外の国務大臣、政府参考人、証人、参考人、傍聴人などもその規則に従うことが求められます。このように、議院規則は議会の運営における重要な枠組みを構築し、内部の秩序を維持します。

各院の議院規則



衆議院

衆議院には、以下のような規則があります。

参議院

参議院にも同様に規則があります。
  • - 参議院規則: 昭和22年6月28日に議決され、構成は22章254条です。
  • - 参議院政治倫理審査会規程: 昭和60年10月14日に議決されたもので、構成は25条です。
  • - 参議院憲法調査会規程: 平成11年7月26日に議決され、平成23年5月18日に廃止されました。
  • - 参議院情報監視審査会規程: 平成23年5月18日に議決され、構成は27条です。

旧貴族院

かつて存在した貴族院についても、以下の規則があります。
  • - 貴族院規則: 大正10年3月26日に議決され、構成は15章200条です。

両院共通

また、衆議院と参議院共通の規則として、以下のものも存在します。
  • - 両院法規委員会規程: 昭和22年7月12日と同年7月11日にそれぞれの院で議決され設置されましたが、昭和30年に国会法の改正に伴い廃止されました。
  • - 両院協議会規程: 両院の議決が一致しない場合に調整を行うための規定で、内容は14条です。

議院規則は、これらのように議会の運営に不可欠な要素であり、政治が円滑に行われるための枠組みを提供しています。

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