谷俊彦

谷俊彦（たに としひこ）は、1921年11月23日に東京都麹町で生まれた画家、イラストレーターです。2011年10月7日に亡くなるまで、数多くの作品を手がけました。川端画学校を卒業後、清沢治（きよさわ はる）名義でもイラストを発表しています。

谷俊彦の作品の特徴は、油彩画とイラストが共通の画風を持っている点です。どちらの分野でも、彼の独特な色彩感覚と繊細な筆致が際立っています。彼は日本[[美術家連盟]]および日本児童出版[[美術家連盟]]の会員であり、その才能は広く認められていました。1965年には、第14回小学館絵画賞を受賞しています。

戦後の児童誌や児童書のイラストレーターとして、谷俊彦は目覚ましい活躍を見せました。彼の描く子供たちの表情は豊かで、物語の世界観をより一層引き立てています。特に、筒井康隆の小説「時をかける少女」の書籍イラストは、彼の代表作として多くの人々に記憶されています。この作品を通して、彼の名前を知ったという人も少なくありません。




エピソードとして、彼は肋膜を患ったことがあり、30歳まで生きられないと言われていたそうです。イラストレーターとして活動を始めてからも、体力に自信がなかったため、日に9時間の睡眠時間を確保し、徹夜は一切しなかったといいます。そのため、どんなに魅力的な仕事の依頼が来ても、自分の体調を優先して断ることが多かったようです。このことが編集者からの不評を買うこともありましたが、一方で、彼は締め切りを必ず守るという信用を築いていました。

主なイラスト作品

海底の魔術師 江戸川乱歩（少年、昭和30年）
すみれの怪人 西條八十（少女クラブ、昭和31年）
* あっぱれ探偵娘 城戸禮（女学生の友、昭和34年）

谷俊彦の作品は、時代を超えて多くの人々に愛され続けています。彼の描くイラストは、子供たちの夢を育み、豊かな想像力を掻き立てる力を持っていると言えるでしょう。

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