谷保恵美

谷保 恵美：千葉ロッテマリーンズの声を支えたウグイス嬢

谷保恵美（たにほ えみ）は、1966年5月11日生まれの元プロ野球スタジアムアナウンサーです。彼女は千葉ロッテマリーンズにおいて、33年間にわたってウグイス嬢として活躍し、数多くの記録を残しました。また、帯広市観光大使として地元の魅力を発信する活動も行っています。

経歴

北海道帯広市で生まれ育った谷保は、1985年に帯広三条高等学校を卒業し、高校時代は野球部のマネージャーを務めました。その後、札幌大学女子短期大学部経営学科を卒業し、短大在学中に札幌大学野球部でマネージャーとして活動。ここでの経験が、彼女をプロ野球界への道へと導くことになりました。

谷保は卒業後、北海道庁の臨時職員として働きながら、「野球に関わる仕事がしたい」と考え、全12球団にアナウンサー職をアピールしました。1990年にはロッテオリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズ）に経理担当として入社し、その後球団の広報部に所属しました。

1991年3月、ロッテ浦和球場での初仕事を経て、同年8月9日には川崎球場で一軍試合のアナウンスも担当しました。その後、1994年からは千葉マリンスタジアムでホームゲームを担当するようになります。彼女はウグイス嬢としてのスキルを磨きながら、数々の素晴らしい瞬間に立ち会いました。

2023年には公式戦通算2100試合のアナウンスを達成し、長いキャリアを締めくくりました。この道のりは一瞬の成功だけでなく、多くの思い出と記録で彩られています。

人物像

「ヤッホーさん」という愛称で親しまれ、選手やスタッフに敬愛され続けてきた谷保は、好きな言葉として「感謝」や「謙虚」、「思いやり」を挙げ、幼少期に祖母から教わった価値観を大切にしています。また、彼女の実家は菓子問屋であり、野球への情熱は家族の影響を受けて育まれました。特に弟との思い出は多く、共にテレビでの野球観戦が日常だったと語ります。

野球好きの彼女は、育成のために合唱団でも活動し、音楽と声に対する感受性を高めました。アナウンスにおいては、その特有の高い声と幅広い音域を活かし、ファンや選手に愛される存在となりました。

引退と今後

2023年のシーズン終了後、谷保は正式にスタジアムアナウンサーとしてのキャリアを終え、最後の試合では多くのファンからの「谷保コール」を受けました。彼女は「この仕事がしたくて球団に入り、全てを注いできた」と振り返り、満足感を表明しています。この引退は単なる職の移行ではなく、多くの思い出と共に彼女にとって特別な節目となりました。

引退の際には、ロッテファン感謝デーで彼女の名前が刻まれた特製ユニフォームが贈られ、ファンからの厚い敬意を示されています。これからの人生については詳細を語っていないものの、「年を取っても頑張っていきたい」と希望を持っている様子です。

谷保恵美は、千葉ロッテマリーンズの歴史の中で語り継がれる存在として、ファンに愛され続けるでしょう。彼女の声と姿が球場で響く日々は、今後も多くの人々の記憶に残り続けるに違いありません。

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