谷口博昭

谷口博昭：日本の道路行政を支えた官僚

谷口博昭（たにぐち ひろあき）は、1948年8月1日生まれ、和歌山県出身の元建設・国土交通官僚です。東京大学工学部土木工学科を卒業後、建設省に入省。長年にわたり道路行政に携わり、国土交通事務次官にまで上り詰めました。そのキャリアを通じて、日本の道路整備に多大な貢献をした人物として知られています。

道路行政のスペシャリストとしてのキャリア

谷口氏は、建設省入省後、技官として道路畑を歩み始めました。道路局高速道路課長、企画課長、近畿地方整備局長、道路局長といった要職を歴任し、道路行政の中枢を担いました。2006年には技監に就任。そして2009年7月には、国土交通事務次官に就任しました。これは、技官出身としては3人目、道路畑出身としては佐藤信秋氏以来2人目の快挙でした。

事務次官就任前には、土木学会副会長（総務）を2007年度から2008年度にかけて務めるなど、学会活動にも積極的に参加していました。事務次官就任は、1972年入省組としては3人目であり、後任の竹歳誠氏も同年の入省組で4人目となります。

事務次官退任後

事務次官就任後、約1ヶ月で事務次官会見が廃止されたため、公式の場に姿を見せる機会は少なくなりました。しかし、退任後も国土技術研究センター理事長、全国土木施工管理技士会連合会長、日本道路協会会長、日本トンネル技術協会会長などを歴任。2018年には瑞宝重光章を受章。2019年からは建設業技術者センター理事長（非常勤）を務め、2021年には土木学会会長に就任するなど、退任後も業界の発展に尽力しました。

詳細な略歴

1972年5月：建設省入省
1979年4月：建設省中部地方建設局沼津工事事務所建設監督官
1979年5月：建設省中部地方建設局沼津工事事務所調査第二課長
1980年7月：建設省中部地方建設局企画部企画課長補佐
1981年12月：建設省中部地方建設局道路部道路計画第二課長
1983年4月：建設省中部地方建設局道路部道路計画第一課長
1985年11月：建設省道路局国道第一課長補佐
1988年4月：建設省中部地方建設局沼津工事事務所長
1990年4月：建設省中部地方建設局企画部企画調査官
1991年4月：建設省大臣官房技術調査官
1994年4月：建設省道路局企画課道路環境対策室長
1995年4月：建設省道路局国道課道路整備調整室長
1995年11月：国土庁計画・調整局調整課長
1998年11月：建設省道路局高速国道課長
1999年7月：建設省道路局企画課長
2002年7月：国土交通省近畿地方整備局長
2004年7月：国土交通省道路局長
2006年7月：技監
2009年7月：国土交通事務次官
2010年8月：辞職
2013年6月：国土技術研究センター理事長
2014年5月：全国土木施工管理技士会連合会長
2016年6月：日本道路協会会長
2017年6月：日本トンネル技術協会会長
2018年11月：瑞宝重光章受章
2019年6月：建設業技術者センター理事長
2021年6月：土木学会会長

まとめ

谷口博昭氏は、日本の道路行政に長年尽力し、その発展に大きく貢献した人物です。官僚としてのキャリアだけでなく、学会や協会の要職も歴任し、業界全体を牽引しました。その功績は、広く称賛されるべきでしょう。

外部リンク

〈建設グラフ2004年9月号〉国民の知恵や異業種のアイデアも導入し新時代の道路行政を展開（前編）

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