谷口富士夫

谷口富士夫について

谷口 富士夫（たにぐち ふじお）は、1958年に愛知県名古屋市で生まれた日本の著名な仏教学者です。彼は名古屋女子大学の元教授として知られ、主にチベット仏教とその思想に関する研究を行ってきました。彼の学問的な基盤は中学校時代から形成され、仏教系の高校での教育を経て、名古屋大学の文学部哲学科に進学しました。1981年に大学を卒業後、名古屋大学大学院でさらに学び、1988年に博士号を取得しました。

人物・経歴

仏教に対する興味は、若い頃からの経験によるものです。特に、永源寺での坐禅会への参加が彼の仏教への関心を深めるきっかけとなりました。大学院時代にはインドへの留学を2回経験し、これによりチベット仏教への興味をさらに広めていきました。彼の研究テーマは「現観荘厳論」に関連したものであり、この成果をもとに1991年に文学博士の学位を得ました。

谷口は、1997年に名古屋女子大学の文学部児童教育学科の講師に就任し、その後助教授、教授に昇任します。彼は仏教の学問的な側面だけでなく、実践的な教育にも貢献し、日本印度学仏教学会賞も受賞しています。しかし、彼のキャリアには困難もありました。2012年に大学のブログに掲載した内容が原因で解雇され、その後の法廷闘争が続きました。解雇は無効とされ、賠償金の支払いを命じられたものの、学園側は判決に控訴しました。この訴訟は長期にわたり、多くの注目を集めました。

最後には最高裁判所が上告を却下し、彼の教授職は2017年に復職しました。その後、2024年に名古屋女子大学を定年退職するまで、教育に力を注ぎ続けました。

主な業績

谷口の研究成果は、数多くの著作に見られます。特に以下の著作は、彼の専門性を示す代表作です。

• - 『トゥカン『一切宗義』チョナン派の章 西蔵仏教宗義研究』(1993年、東洋文庫)
• - 『現観体験の研究』(2002年、山喜房佛書林)

また、著訳業にも肩を向けており、特にダライ・ラマ14世の著作の翻訳が著名です。その中でも以下の作品が挙げられます。

• - 『ダライ・ラマ 365日を生きる智慧』(2001年、春秋社)
• - 『ダライ・ラマ 至高なる道』(2001年、春秋社)

まとめ

谷口富士夫は、日本の仏教学に重要な足跡を残した学者であり、特にチベット仏教の研究ではその存在感を示しました。彼の学業や教壇での貢献は、今も多くの学生や専門家に影響を与えています。多彩な業績とともに、彼の経験は日本の学術界において貴重な資産となっています。

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