谷口雅宣

谷口雅宣（たにぐち まさのぶ）

谷口雅宣氏は、1951年12月24日生まれの日本の宗教家であり、「生長の家」の第3代総裁です。祖父は生長の家創始者の谷口雅春、父は第2代総裁の谷口清超、母は第2代白鳩会総裁の谷口恵美子という、生長の家における重要な家系に生まれました。妻は第3代白鳩会総裁の谷口純子氏で、二男一女をもうけています。

経歴

生い立ちと学生時代

東京都出身。幼少期から生長の家の影響下で育ちました。高校時代は生長の家高校生連盟に所属し、右派的な思想に傾倒。新教育者連盟の機関誌に論文を寄稿したり、三島由紀夫と交流を持つなど、一時期は「右翼少年」と呼ばれることもありました。青山学院大学法学部卒業後、アメリカのコロンビア大学に留学し、国際関係論の修士号を取得しました。

新聞記者から教団幹部へ

帰国後は産経新聞横浜支局に記者として勤務。1979年に小野純子氏（現・谷口純子）と結婚。その後、新聞社を退職し、生長の家の教団職員となります。広報・出版・総合企画部門で才能を発揮し、教団の理事に就任しました。

教団内では、宗教的な伝道を重視する「教団派」（本部派）と、政治活動を重視する「飛田給派」（日本青年協議会系）の対立が激化していました。谷口氏は教団派に属し、教団の政治活動からの転換を主導しました。1985年に祖父・谷口雅春が死去、父・谷口清超が第2代総裁に就任すると、教団の副理事長に就任しました。

副総裁時代

1990年、副総裁に就任。父と共に各地の講習会で講師を務めるようになります。1993年には「国際平和信仰運動」を提唱し、太平洋戦争（大東亜戦争）への反省、戦争責任の追及、人権尊重の立場からの女系・女性天皇の容認など、従来の方針からの転換を打ち出しました。また、地球環境問題、遺伝子操作・生命倫理問題、エネルギー問題など、現代科学が抱える問題にも積極的に言及し、教団の教義にもその意向を反映させています。

しかし、これらの路線変更は、教団内外から「左翼的」であるとの批判を招き、1998年には生長の家社会事業団が教団とは異なる道を歩み始め、2003年には新教育者連盟が教団からの自立を図るなど、教団内部に混乱が生じました。谷口氏と彼を支持する教団幹部は、2005年に「国際教修会」を開催し、自身の路線が創始者・谷口雅春、第2代総裁・谷口清超の正当な後継路線であることを主張しました。

2005年頃から父・清超の体調が悪化し、総裁職の代行を務めるようになり、実質的な教団の指導者として教団運営を担いました。

総裁就任

2008年10月28日、父・谷口清超の死去に伴い、2009年3月1日の立教記念日に「生長の家総裁法燈継承祭」を執り行い、第3代生長の家総裁に就任しました。

主張

生長の家は、初代総裁の時代には保守的な色彩の強い教団でしたが、2代目総裁の途中からリベラルな発言や自由民主党への批判も多く見られるようになり、左翼的な立場であるとの指摘も出ています。現在では、地球環境問題を重視する緑の保守主義の立場を基本としています。

憲法

かつては大日本帝国憲法の復元を主張していましたが、現在では帝国憲法の復元は現実的ではないとして否定的な立場を取っています。日本国憲法の改正による自主憲法の制定を主張し、立憲主義を堅持すべきとしていますが、憲法改正自体には反対していません。条件付きで9条改正も容認する考えを示しています。

皇室

安定的な皇位継承の観点から、男系男子に固執せず、女性・女系天皇も容認する姿勢を示しています。

安全保障

非核三原則に反対し、民主党政権の反米・親中的な政策を批判するなど、親米保守的な主張もしています。ただし、安倍政権が進めた集団的自衛権の限定的行使容認や安全保障法制には反対しています。

脱原発

教団として脱原発を表明し、太陽光発電所を立ち上げるなど、再生可能エネルギーの推進に力を入れています。

生命倫理

堕胎や優生学に否定的な、創始者・谷口雅春以来の立場を踏襲しています。

著書

谷口雅宣氏は、多数の著書を執筆しており、宗教、平和、環境問題、生命倫理など、幅広いテーマについて論じています。

『心でつくる世界』生長の家 1997
『ちょっと私的に考える』生長の家 1999
『神を演じる前に』生長の家 2001
『今こそ自然から学ぼう 人間至上主義を超えて』生長の家 2002
... (他多数)

外部リンク

MASANOBUTANIGUCHI.COM
* 生長の家総裁 谷口雅宣先生 - 生長の家

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