谷地城

谷地城について

谷地城（やちじょう）は、山形県西村山郡河北町谷地に存在した日本の城であり、地域の史跡として指定されています。元々この城は、弘治年間（1555年〜1558年）に中条長昌によって創建されたと考えられています。中条氏は武蔵七党横山党の一族であり、有名な中条家長を祖に持ち、鎌倉幕府の成り立ちにも寄与しました。

歴史的背景

中条氏は、出羽国小田島荘の地頭職を持ち、歴史の中で様々な役割を担ってきました。南北朝時代、南朝に協力した小田島氏は、結城氏の配下として小田島荘の代官となりますが、その後の結城氏の動向により領地を奪還します。1396年には、留守家継から中条備前守が上田鍋を与えられ、さらに1406年には小見郷や小堤郷が安堵されるなど、地域の支配権を強化していきます。

しかし、北寒河江庄の領地は、鎌倉円覚寺領に属し、最上氏の支配下にあったため、中条氏の権力は一時的に制限されることとなり、結局さまざまな勢力の変遷の中で城の支配者も変わることになりました。

永禄・元亀の時代には、白鳥氏が城の周辺で勢力を増し、1582年頃には白鳥長久が城主となり、その後城郭の整備を進めました。しかし1584年、長久は最上義光に暗殺され、最上氏の攻撃によって谷地城は落城します。最上氏配下の斎藤光則がその後の城主となりました。

慶長5年（1600年）には、上杉軍の侵攻を受け、九月中に城は再び陥落します。その後、下秀久が支配権を持ち続けるものの、関ヶ原の戦に絡む政局の変動とともに状況は厳しくなります。1622年、最上氏が改易されると同時に谷地城は廃城となりました。

構造と特徴

谷地城は、三重の堀に囲まれた平城として知られ、本丸の規模は南北260メートル、東西120メートルです。内部は土塁で二分されており、その外側は基底部幅14メートルの土塁で囲まれています。一の堀は最も広く、最大幅が50メートルありますが、通常は約30メートルの幅があります。

二の丸は長方形の形状を持ち、その南北は450〜500メートル、東西は350メートルです。この区域には、堀沿いに街路が設けられ、屋敷が配置されています。二の堀の幅は、最大で50メートル、最小で10メートルに及びます。

三の丸は、旧谷地本郷をほぼ完全に囲む形で広がっていますが、かつての水堀跡の低地が残されています。

歴代城主

• - 中条長昌
• - 白鳥長久
• - 斎藤光則（伊予守）
• - 下秀久

アクセス

谷地城は、JRさくらんぼ東根駅から車で20分、JR寒河江駅からも車で20分の距離にあります。また、東根ICからは約5キロ、車で15分ほどでアクセス可能です。現在は三社宮が本丸跡に位置しています。

このように谷地城は歴史の中で数々の変遷を経ながら、地域の文化や歴史に深く根ざしてきました。今もなお、多くの歴史愛好者や観光客が訪れ、過去の栄光を感じることのできる場所となっています。

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