白鳥氏

白鳥氏の歴史と出自

白鳥氏（しろとりうじ）は、日本における歴史的な氏族の一つで、主として南北朝時代から戦国時代にかけて活動していました。この氏族の本拠地は、山形県村山市にある白鳥郷とされ、戦国時代には谷地（現在の山形県西村山郡河北町）に進出しました。

出自の考察

白鳥氏の出自に関しては、いくつかの説があります。一般的には、安倍頼時の八男であった行任の子、則任が祖先とされている説が存在します。この則任に関しては、頼時の実子であった可能性も指摘されていますが、別の視点として行任の兄である貞任の子とも推測されています。

また、白鳥氏は同族の家臣であった茂木弾正の系図においては大江氏の流れを汲むとされ、寒河江氏と一族であるともされています。ただし、この系図の信憑性には疑問が残ります。さらに、中条氏にも関係があるとされることから、白鳥氏の出自に関しては未だ多くの不明な点があります。

歴史的な活動

南北朝時代には、白鳥氏は南朝側の立場で活動し、寒河江氏とも連携していました。彼らは所領を安堵され、鎌倉府に仕官していましたが、応永9年（1402年）には伊達持宗の家人の立てこもる苅田城を寒河江氏と共に包囲しました。

室町時代に入ると、享徳の乱の際には、白鳥十郎義郷の名が登場します。この時期の『羽陽北仙伝記』では、1512年に最上義定の北進に従ったことが記されています。また、伊達氏の内訌である天文の乱では、最上義守の援軍として稙宗方に参加しています。時を経て、白鳥長久が永禄・元亀の時代（1558年〜1573年）に中条氏の居城である谷地城に進出しています。

その後、白鳥氏は寒河江氏や天童氏との姻戚関係を結び、国人領主として地域内で影響力を持ち続けます。天正最上の乱の際には、両者の間を取り持つ仲介者として名を上げました。天正5年（1577年）には、織田信長に名馬白雲雀を献上し、信長からも返礼を受けていますが、これが最上義光の警戒を招く結果となりました。最終的には、信長の死後、天正12年（1584年）に長久は山形城に呼ばれ、命を落とします。

長久を失った後の白鳥氏は、最上氏の侵攻に直面し、寒河江氏の支援を受けつつも抵抗したものの、力及ばず滅亡しました。その結果、白鳥氏の一族は青森県や宮城県、長野県へと避難しました。

末裔について

明治から大正にかけて、青森県東津軽郡荒川村の村長を務めた白鳥鴻彰は、白鳥氏の末裔とされています。彼の存在は、歴史に名を刻むことのなかった白鳥氏の流れを現代に伝える貴重な存在となっています。

白鳥氏の系図や歴史は、古文書や古記録からも探求が続けられており、歴史学の研究者や地域の人々によってその真実に迫る努力が行われています。

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