谷氏

谷氏の系統と歴史

谷氏（たにし、はざまし）は、日本の著名な氏族であり、いくつかの系統から成り立っています。その中でも、宇多源氏佐々木氏流の高島高信の三男である谷重尚を祖とする系統と、丹波山家藩主家からの華族である谷衛好を祖とする系統が存在します。

佐々木経泰を祖とする系統

この系統の起源は、佐々木信綱の三男の佐々木泰綱とその長男である佐々木経泰に遡ります。1487年、近江源氏の主流である佐々木氏が近江八幡の金剛に金剛城を築城した後、谷氏は近江八幡の武佐に友定城（谷殿）を構えました。戦国時代には、谷氏の子孫である谷重春が佐々木氏の後裔である六角義賢に仕官し、その子、重則は富田長家の家臣として仕官しました。重則の主君である小吉郎が、下野の佐野氏の養子となり佐野城に入城した際、重則も関東に移ったのです。

重則の長女、高瀬局は徳川頼房の側室となり、松平頼重や徳川光圀の母となりました。また、彼の長男重祐は初めて保科正之に仕官した後、徳川頼房に仕え、頼房の息子松平頼重の高松入封に従って高松に移住しました。谷家は、この時代に大老や家老としての地位を獲得していきます。

谷衛好を祖とする系統

この系統の始まりは、谷衛好の父である福田正之によって築かれました。彼は美濃の土豪であり、衛好は伯父の綱衛の養子となり名前を谷野としました。衛好は斎藤道三や織田信長に仕え、晩年には衛野から谷に改名しました。その後、羽柴秀吉に仕官し、三木城攻めで戦死します。衛好の子、衛友は武勇に優れ、秀吉の指揮のもとで多くの戦いに参加し、加増を受けた結果、丹波何鹿郡山家で1万6,000石を領有しました。

関ヶ原の戦いでは西軍に属し、田辺城の戦闘にも参加しましたが、後に東軍に寝返ったため、彼の所領の保証を受け、江戸幕府の時代には外様大名として丹波山家藩主を務めました。衛友の死後、子孫は領地の分割を行い、最終的には1万石を所有するようになりました。

最後の藩主である衛滋は、明治2年（1869年）6月に山家藩知事に任命され、明治4年（1871年）7月の廃藩置県までその地位に留まりました。明治2年6月17日の新たな体制のもと、公家と大名家が統合され華族制度が設立されると、谷家もその一員として華族に列しました。さらに、明治17年（1884年）7月の華族令の施行により、谷家は五爵制に組み込まれ、旧小藩の知事として子爵に列せられました。

昭和前期には、谷家の二代子爵である閑衛が日本製鉄八幡製鉄所に従事し、福岡県八幡市清田町に住んでいました。

系図

谷氏の系譜は複雑で、直系の実子を太線で、養子を細線で示しています。以下に主要な系譜を示します：

• - 衛好

- 衛友
- 衛成
- 吉長
- 衛勝
- 衛政
- 衛長
- 衛冬
- 以降、各系統にさらに分かれています。

このように、谷氏は長い歴史を有し、戦国時代から近代にかけて様々な変遷を経てきた家系です。

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