谷福丸

谷 福丸のプロフィール

谷福丸（たに ふくまる）は1939年2月11日生まれ、福岡県出身の日本の官僚であり、画家でもあります。彼は日本の政治史において重要な役割を果たし、特に衆議院事務総長として約9年5か月という長期にわたり職務を全うしました。さらに、瑞宝大綬章を受賞したことからも、その業績が評価されています。

キャリアの始まり

福丸は福岡県立田川東高等学校（現在の福岡県立東鷹高等学校）を卒業後、九州大学法学部を1957年から1963年にかけて学びました。大学時代に読んだ上野英信の著書『追われゆく坑夫たち』が彼に多大な影響を与え、卒業後は福岡県庁に入庁しました。筑豊炭田の炭鉱を抱える鞍手福祉事務所でケースワーカーとして勤務し、地域の人々との接触を通して貴重な経験を得ることができました。

上京し法務省を経た後、1965年には衆議院事務局に入局。最初は委員部で内閣委員会や予算委員会を担当し、その後さまざまな委員会での経験を積みました。特に1973年から1977年にかけては、英国大使館に出向し、重要な国際行事に関与しました。

衆議院事務総長としての活動

1994年6月に衆議院事務総長に就任すると、羽田孜の後の首班指名選挙の運営に当たり、政界の変化に応じて数々の重要な決定を行いました。例えば、1998年には決算委員会の改組や衆議院調査局の立ち上げに寄与し、2000年には混乱の中で施政方針演説を実施しました。彼の任期中、国会の制度改革にも注力し、国会法の改正を推進しました。

特に記憶に残るエピソードとして、PKO法案の採決時に現れた牛歩戦術への対応や、細川護煕氏への首班指名の際に起こった点呼読み飛ばし事件があります。これらの出来事は、彼の柔軟な対応力と政治的知識を示すものであります。

退職後の活動

谷福丸は2003年に事務総長を辞任後、国立国会図書館長のポストに就くことが期待されましたが、不祥事のためその地位には就任しませんでした。その後、国土緑化推進機構の副理事長として活動し、毎年の植樹祭や育樹祭を通じて国土緑化運動の推進に力を入れました。2010年には瑞宝大綬章を受章し、その影響力は今も感じられます。

また、彼はロバート・ブレイクの著書『ディズレイリ』を翻訳して出版し、政治における文化的な側面にも関与しました。さらに、事務総長としての経験を活かし、議会法に関するオーラル・ヒストリーのインタビューにも応じており、政治の歴史を後世に伝える努力を続けています。

結語

谷福丸氏は日本の政治と文化において、官僚として、また画家として多岐にわたる貢献を果たしました。彼の業績と考え方は、今後の世代にとっても重要な示唆を与えてくれることでしょう。

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