豊の国情報ライブラリー

豊の国情報ライブラリー：大分県の歴史と文化を体感する複合施設

大分県大分市に位置する豊の国情報ライブラリーは、県立図書館、県立先哲史料館、県公文書館の3施設から構成される、全国でも珍しい複合文化施設です。著名な建築家、磯崎新氏の設計による洗練された建物も魅力の一つとなっています。

それぞれの施設：役割と機能

大分県立図書館: 一般的な図書館機能に加え、豊の国情報ライブラリーの中核を担い、広範囲の蔵書を提供しています。

大分県立先哲史料館: 大分県ゆかりの偉人（先哲）に関する史料を収集・研究し、展示や教育普及活動を通して、郷土の歴史と文化の理解を深める役割を担っています。郷土の先哲に関する貴重な資料を多数所蔵し、それらをデジタル化した資料もオンラインで閲覧可能です。明治会堂演説之図や豊後国諸検地帳など、歴史的に重要な資料も収蔵されています。

大分県公文書館: 廃藩置県以降の大分県に関する公文書や行政資料を収集・保存し、行政機関や研究者、一般市民への情報提供を行っています。九州で初めて設立された都道府県公文書館として、地域の歴史解明に貢献しています。

豊の国情報ライブラリーの成り立ち

1966年に開館した大分県立図書館は、当初から公文書館機能も担っていましたが、施設の老朽化と狭隘化、保存資料の増加に伴い、新たな施設の必要性が認識されました。この結果、図書館機能と公文書館機能、そして郷土史料の専門施設を統合した、豊の国情報ライブラリーが1995年に誕生しました。3施設が連携してレファレンスサービスや資料保存、調査研究などに協力体制をとっている点が大きな特徴です。

先哲史料館の詳細：資料と活動

先哲史料館では、古文書、記録類、先哲の遺品など、約10万点以上の史料を収集・整理しています。これらの資料は、常設展示や企画展を通して一般公開され、大分県の歴史と文化を理解する上で貴重な機会を提供しています。展示室では、常設展示「大分の先哲たち」や、テーマに沿った企画展が開催され、無料で観覧できます。3階にある閲覧室には、約2万冊の図書や史料の複製本が備えられており、研究者や一般利用者による閲覧も可能です。

先哲史料館は、資料の収集・保存・公開に加え、教育普及活動にも積極的に取り組んでいます。講演会や講座の開催、学校教材の開発、史料サポーター制度による地域人材育成など、多様な活動を通して、地域社会への貢献を目指しています。

特に注目すべき事業として「大分県先哲叢書」の刊行があります。これは、大分県ゆかりの先哲の生涯と業績を紹介するシリーズで、一般向け評伝、小中学生向け普及版など、幅広い層を対象とした出版物が含まれています。

公文書館の詳細：資料と活動

公文書館は、1871年（明治4年）以降の県に関する公文書や行政資料を収集・保存しています。これらは、行政施策の立案や郷土史研究に役立てられており、多くの人々が利用しています。近年では、デジタル化にも力を入れており、オンラインでの資料閲覧も可能となっています。

豊の国情報ライブラリーのアクセス

JR大分駅または西大分駅から徒歩圏内に位置し、公共交通機関でのアクセスも容易です。

まとめ

豊の国情報ライブラリーは、単なる図書館や博物館ではなく、歴史と文化を深く理解するための総合的な拠点です。建築、資料、そして人々の活動を通して、大分の魅力を体感できる場所と言えるでしょう。

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