豊倹院

豊倹院（ほうけんいん）とは

豊倹院（生没年不詳）は、江戸幕府13代将軍徳川家定の側室です。名は志賀（しが）といい、父は旗本の堀利邦です。法名は満倹院とも伝えられています。

生涯

病弱であった徳川家定は、大奥の中でも豊倹院をただ一人の側室として迎え、深く寵愛しました。家定の死後、豊倹院は桜田御用屋敷に移り住んだとされています。しかし、慶応年間には大奥に豊倹院の部屋が存在したことが確認されており、一時的に大奥を離れた後、再び戻っていた可能性も指摘されています。

豊倹院は、家定の菩提を弔うために余生を送ったと伝えられていますが、一方で、贅沢品を携えて故郷に戻り、裕福な生活を送ったという説もあり、その晩年の詳しい動向ははっきりしていません。没年は明治初年頃とされていますが、正確な時期は不明です。

関連作品

豊倹院は、以下の作品に登場しています。

漫画
『大奥』（白泉社、よしながふみ）
テレビドラマ
『篤姫』（NHK大河ドラマ、2008年、演：鶴田真由）

参考文献

豊倹院に関する研究や記述は、以下の書籍で見ることができます。

雲村俊慥『大奥の美女は踊る』 PHP研究所、2006年。
高柳金芳『大奥の秘事』 雄山閣、2003年。

豊倹院の生涯は、史料が少なく不明な点が多く残されています。しかし、彼女が徳川家定の側室として、大奥で重要な役割を果たしたことは間違いありません。その生涯は、様々な憶測を呼び、後世の創作にも影響を与えています。

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