豊前長洲駅

豊前長洲駅：歴史と地域に根付く無人駅

大分県宇佐市大字長洲にあるJR九州日豊本線の豊前長洲駅は、1911年（明治44年）4月22日に鉄道院によって開業しました。木造の駅舎は開業当時の面影を残しており、歴史を感じさせる佇まいです。

長い歴史の中で、豊前長洲駅は幾多の変化を経験してきました。1961年には貨物取扱いを廃止、1984年には荷物扱いも廃止され、同年11月には無人駅となりました。1987年の国鉄分割民営化後もJR九州によって運営が続けられています。2012年にはICカードSUGOCAの利用が開始されましたが、チャージや購入はできないので注意が必要です。2018年のダイヤ改正では快速列車の停車が廃止されました。

駅舎は島式ホーム1面2線を有する地上駅で、開業当時からの木造駅舎が現在も残されています。無人駅であるものの、地域住民にとって重要な交通拠点として機能しています。

利用状況の変化

開業当初から昭和40年代までは、豊前長洲駅は多くの利用者で賑わっていました。昭和40年度の乗車人員は21万人を超え、手荷物や小荷物の取扱いも行われていました。しかし、時代の流れと共に利用客数は減少。1997年には年間乗車人員が5万人を割り込み、その後も減少傾向が続きました。2015年度の乗車人員は29,787人となっています。減少の背景には、自動車の普及や人口減少など、様々な要因が考えられます。

駅周辺の環境

豊前長洲駅の周辺には、宇佐市立長洲中学校、宇佐市立長洲小学校、宇佐市役所長洲出張所、長洲郵便局、長洲中浜簡易郵便局といった公共施設や教育機関が立地しています。また、九州総合スポーツカレッジ（専修学校）も駅近くに位置し、地域社会に貢献しています。交通アクセスとしては、駅北側には大交北部バスの「長洲駅前」停留所があり、バス路線も利用可能です。道路網も整備されており、大分県道23号中津高田線、大分県道215号長洲宇佐神宮線、大分県道527号豊前長洲停車場線が駅周辺を通っています。かつては独立した自治体であった長洲町の歴史も、駅周辺の街並みに反映されています。

隣の駅

豊前長洲駅の隣の駅は、日豊本線で柳ケ浦駅と宇佐駅です。

まとめ

豊前長洲駅は、開業以来100年以上の歴史を持つ、地域に密着した無人駅です。歴史を感じさせる木造駅舎や、周辺の環境、そして利用状況の変化などから、日本の地方における鉄道の変遷を垣間見ることができます。ICカードSUGOCAの利用が可能になったものの、利用客数の減少は依然として課題であり、地域の活性化と合わせて、駅の将来像についても考える必要があるでしょう。今後も地域住民の生活を支える重要な交通拠点として、その役割を担い続けることが期待されます。

もう一度検索