柳ケ浦駅

柳ケ浦駅：日豊本線の歴史と未来を繋ぐ駅

大分県宇佐市住吉町に位置するJR九州日豊本線の柳ケ浦駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。日豊線の歴史を語る上で欠かせない駅であり、その歴史は明治時代にまで遡ります。

歴史：日出生台への物資輸送と日豊線開通

柳ケ浦駅は、日出生台への物資輸送の必要性から建設が進められ、1897年（明治30年）9月25日、豊州鉄道の行橋駅 - 柳ケ浦駅間が開通した際に長洲駅として開業しました。その後、宇佐駅と改称され、1909年（明治42年）10月15日に現在の柳ケ浦駅へと改名されました。同年の12月21日には、大分線（現日豊本線の一部）の柳ケ浦駅 - 宇佐駅間が開通。日豊線開通時の終着駅として、鉄道唱歌第二集山陽・九州編にも登場するなど、東九州の鉄道交通において重要な役割を担ってきました。

1939年（昭和14年）10月1日の宇佐海軍航空隊開隊に伴い、駅周辺の開発が進み、柳ケ浦村の町制施行にもつながりました。駅への引込線も開設され、駅の重要性はさらに高まりました。戦後、航空隊跡地は水田となり、近年では「宇佐・畑田遺跡」の発掘調査が行われ、歴史的な発見がなされています。

国鉄時代には、駅構内に柳ケ浦機関区が存在し、立石峠の急勾配区間における列車の編成組み直しや補機連結などの作業が行われていました。1966年（昭和41年）の新立石トンネル開通によりこれらの作業は解消されましたが、その名残として、現在も複数の側線が駅構内に残っています。

1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR九州の駅となり、2012年にはICカードSUGOCAの利用が可能になりました。2023年10月1日からは、JR九州サービスサポートによる業務委託駅からJR九州本体直営駅となりました。駅長配置はありませんが、みどりの窓口が設置され、利便性の向上が図られています。

駅構造と発着列車

柳ケ浦駅は、2面3線のホームを持ち、跨線橋とエレベーターで各ホームが連絡されています。主に下り列車は1番のりば、上り列車は3番のりばを使用し、2番のりばは待避や始発列車に使用されます。また、上り列車用の副本線も存在します。

停車する特急列車は、「ソニック」の一部と「にちりん」の一部です。「にちりんシーガイア」は2021年3月改正で停車がなくなりました。普通列車は、昼間は2時間間隔、朝夕は1時間間隔で運行されています。朝には当駅始発の上り快速列車も運行されています。

駅周辺

駅周辺には、宇佐市平和資料館（宇佐海軍航空隊に関する資料展示）や、柳ケ浦高等学校、東光寺などがあります。また、「航空隊踏切」の名称も現在も残っており、歴史の痕跡を感じることができます。バス路線も整備されており、周辺地域へのアクセスも良好です。

利用状況

柳ケ浦駅の利用状況は、過去には50万人以上の乗車人員を記録していましたが、近年は減少傾向にあります。それでも、地域住民の生活における重要な交通拠点であり続けています。

まとめ

柳ケ浦駅は、日豊線の歴史を刻んできた駅であり、地域の発展に大きく貢献してきました。歴史と自然、そして現代の交通網が調和する、魅力的な駅です。今後も地域住民の生活を支え、地域の活性化に貢献していくことが期待されます。

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