豊国神社 (名古屋市)

豊国神社（とよくにじんじゃ）

豊国神社は愛知県名古屋市中村区の中村公園内に位置し、主に豊臣秀吉を祀る神社です。実際には、公園の敷地には厳密には含まれていませんが、秀吉の生誕地として知られています。ここは同名の神社が全国各地にありますが、特に秀吉にゆかりのある場所です。

歴史

この神社は1883年に建設の計画が始まりました。当時の県令国貞廉平や地元の信者たちが、秀吉を祀る神社の創設を目指して運動を展開しました。そして、その年の7月に現在の場所が神社の創建地として正式に決定されました。1885年には神社が完成し、同年の7月には正式に創建されましたが、県令の死去に伴い、その後の工事は中断されました。その後、1901年に開園した中村公園の一部となりました。

1921年に中村地域が名古屋市に編入されたことを記念し、1929年には住民の寄付によって大きな鳥居が設立されました。この大鳥居は、京都の平安神宮のものよりも少し高く、創設当初は世界一の高さを誇っていました。1956年、お寺が都市公園に指定された際、豊国神社は公園から独立した境内を持つようになりました。そのため、現在も独自の歴史と文化を保っています。

豊国神社の西隣には常泉寺があり、そちらも秀吉の生誕地とされる場所です。また、妙行寺には加藤清正の生誕地があり、神社の中には清正公社という摂社も存在します。これは加藤清正を祀る場所です。

祭りと催事

神社に向かう「豊国神社参道線」では、毎月「9」のつく日に「九の市」が開催されます。この朝市は60年以上も続いており、2017年時点で約80店舗が出店され、さらに50店舗の新規出店が計画されています。

また、社殿の東側には「豐公誕生之地」の碑があり、1967年には秀吉と清正に関連する記念館も設立されています。

定期的に行われる祭りも多く、特に毎年5月中旬に行われる太閤まつりでは、豊太閤頭巾行列や出世稚児行列があり、地元の神輿も巡行します。さらに太閤出世太鼓や新治郎太鼓が奉納され、地域の人々が盛り上がります。他にも毎月18日には月次祭が行われ、1月1日の元日祭や旧正月に行われる生誕祭も人気です。

アクセス

豊国神社へのアクセスは非常に便利です。名古屋市営地下鉄東山線の中村公園駅から徒歩約10分で行けます。また、名古屋駅から buses を利用すれば、容易に神社に到着できます。周辺には豊国神社参道線や清正公通などがあり、参拝する人々にとってもアクセスが良好です。

大鳥居

特に注目すべきは、大鳥居です。これは鉄筋コンクリート製で、高さ約24メートル、柱の直径は2.4メートルの巨大なもので、1929年に寄付によって完成しました。しかし、名古屋市の管理下にはなく、「所有者不明の物件」とされています。地域の人々による補修作業が過去に行われ、2022年には金色に塗り替えることを検討するアンケートも行われています。

このように、豊国神社は文化的にも歴史的にも、豊臣秀吉を想い、地域に深く根ざした存在となっています。

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