豊島河原合戦

豊島河原合戦について

豊島河原合戦（てしまがわらがっせん）は、1336年に行われた歴史的な戦闘であり、新田義貞と北畠顕家が率いる後醍醐天皇軍と、足利尊氏の反乱軍が激突しました。この戦闘は、後醍醐天皇の再興を目指しての戦いであり、戦国時代初期の重要な出来事の一つです。

合戦の背景

この合戦が始まるまでには、深い歴史的背景があります。元弘3年（正慶2年）に鎌倉幕府が滅亡し、足利尊氏は後醍醐天皇に対して突然反旗を翻しました。その結果、足利尊氏は建武2年（1335年）に箱根・竹ノ下で新田義貞軍を打ち破り、京都へと進軍しました。しかし、尊氏が京都へ到着した後、迎え撃つ北畠顕家軍によって攻撃を受け、同年の1月11日に京都入りしたものの、相次ぐ敗北を強いられ、丹波国へ引き返すこととなります。

開戦の経過

丹波国で巻き返しを図った足利尊氏は、再度京都を目指して合戦の準備を整えました。1336年の2月3日に摂津国の猪名川付近に到達します。この動きに対抗して、後醍醐天皇側、新田義貞と北畠顕家も軍を進めて尊氏の陣地に向かいました。

『太平記』によれば、尊氏は足利直義に約16万の軍勢を授け、新田軍を摂津国豊島河原で迎え撃つことに決定しました。後醍醐軍は約10万騎の規模で、両軍は豊島河原で激闘を繰り広げますが、勝敗は決まらず、両軍の均衡が続きました。後に楠木正成が後醍醐軍の支援に回り、西宮へ攻撃を仕掛けることで、戦場が移動することになります。

戦局の変化

その後、周防国・長門国の守護大名が神戸港に到着し、後醍醐軍にも伊予国からの援軍が加わることとなり、両軍は再び湊川で戦闘を行いました。しかし足利尊氏は敗北の兆しを感じ取り、周防・長門の支援軍と共に九州へと落ち延びることになります。このように、因果的な連鎖の中で戦争は終結を迎えました。

梅松論に見る戦闘の詳細

『梅松論』によると、足利尊氏側には、山陽や長門の守護大名が約500の艦船で援軍をもたらしました。尊氏は2月10日にこれらの軍勢と合流して進撃の準備を進めましたが、西宮浜で楠木正成との戦闘に足止めされ、同じ日に一日中戦闘が行われました。そして夜間に正成が陣を引いたため、尊氏は次の日に豊島河原で新田義貞軍と決戦を繰り広げました。その結果、尊氏は新田・北畠両軍に敗れ、12日には兵庫に退いた後、九州へ逃れることとなります。

合戦の位置

豊島河原の正確な位置は明確には特定されていませんが、『梅松論』によると新田義貞が摂津国・瀬川の河原で戦ったことが記載されています。この区域は箕面川の下流部、箕面市と池田市の境界に位置していると考えられています。

関連項目

• - 瀬川合戦 - 1333年に瀬川（豊島河原）で行われた赤松則村と六波羅探題の戦い。
• - 足利尊氏
• - 新田義貞
• - 北畠顕家

このように豊島河原合戦は、戦国時代の初期を象徴する合戦であり、当時の権力争いの様子を映し出している重要な歴史の一部でもあります。

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