豊橋鉄道モハ400形電車

豊橋鉄道モハ400形電車について

豊橋鉄道モハ400形電車は、かつて豊橋鉄道が所有していた路面電車用の電車です。当初、名古屋市電に所属していた車両が一部改編され、最終的には401から403までの3両が存在しました。しかし、この3両はそれぞれ異なる経緯で名古屋市から譲渡され、豊橋鉄道の車両として運用されることになりました。

車両の歴史と特徴

モハ401

モハ401は1928年に日本車輌製造で製造された半鋼製の単車です。当初は桑名電軌での運用を期待されていましたが、実際の運用開始は翌1929年になりました。桑名電軌は1944年に廃止され、その後名古屋市電気局（今の名古屋市電）に譲渡されました。残念ながら、戦争の影響で3号車は焼失しましたが、モハ401（もともとの4号車）は生き残り、1951年に豊橋交通に移籍し、モハ400形に改名されました。

この車両は集電装置としてビューゲルを装備し、2扉7窓の構造でした。さらに、モデルとしては同じく半鋼製の単車であることが特徴的ですが、元々の車両形式は桑名電軌5とされることもあり、歴史的に興味深い存在です。

モハ402・403

次に、モハ402と403は1924年に同じく日本車輌製造によって製造された木造単車です。最初は4両（5 - 8）が制作され、特に下之一色電車軌道で使用されましたが、1937年に事業を名古屋市電に譲渡されました。1951年になると、番号そのままに豊橋交通に移動し、モハ400形として再編成されました。

これらの車両もビューゲルの集電装置を展示し、2扉8窓の形態を取っていました。木造のため、外観のデザインや雰囲気に優れ、1963年にすべての車両が老朽化したことで運用が終了しました。

主要なスペック

モハ401については、定員が50人で、座席定員は18人、自重は14.23トン、最大寸法は長さ8,154mm、幅2,096mm、高さ3,746mmと迫力のあるサイズです。

一方、モハ402および403は、同じく50人の定員を誇るものの、自重は9.16トンと軽量です。さらに最大寸法は長さ8,534mm、幅2,134mm、高さ3,728mmと、401よりも少しだけ大きいです。

このように、豊橋鉄道モハ400形電車は名古屋市の歴史を色濃く反映した路面電車であり、多くの人々に親しまれていました。

最後に

モハ400形電車は、豊橋鉄道の歴史の中でも特異な存在でした。いくつかの車両が異なるルートを経由しながらも、末永く愛されてきたこの電車は、今では過去の貴重な遺産として人々の記憶に刻まれています。廃止から長い年月が経っていますが、これらの車両の歴史を振り返ることで、地域の鉄道文化や歴史的背景を理解する貴重な機会となるでしょう。

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