豊浦村 (山形県)

豊浦村について

豊浦村（とようらむら）は、山形県西田川郡に存在した村であり、現在の鶴岡市西部、羽越本線の小波渡駅や三瀬駅周辺に位置していました。この地域は、西田川郡の漁獲量の約3分の1を占める漁村として知られており、豊かな自然環境が特徴的でした。

地理

豊浦村は日本海に面しており、その美しい海とともに、周囲には荒倉山、藤倉山、八森山などの山々がそびえています。また、隣接する自治体としては、山戸村、加茂町、温海町、上郷村がありました。

歴史

豊浦村の名前は、豊かな自然と生活を願って名付けられたと言われています。1942年11月には三瀬大火という大きな火災が発生し、多くの建物が焼失しました。この火災は強風の中で発生し、消防士を含む4人が亡くなりました。被害額は148万円に上り、村役場の被害もありました。その後、戸籍や除籍簿が焼失し、再度作成する必要がありましたが、現在も一部の書類は復元されていない状況にあります。

村の歴史を遡ると、1889年に町村制が施行され、三瀬村、小波渡村、堅苔沢村、由良村が統合されて豊浦村が誕生しました。その後も火災や震災等、数々の災害に見舞われましたが、1955年には鶴岡市との合併が決定し、同年に豊浦村は廃止されました。

行政と人口

豊浦村では1947年に村長選の決選投票が行われ、志田弥太郎が第10代村長に選出されました。1950年時点での人口は約6,799人、世帯数は1,223戸というデータがあります。

産業

豊浦村では漁業が主な産業であり、1915年には郡全体の漁獲の33％を占めていました。地域の漁業では、鱈や鯛、タコ、イカが獲れ、出稼ぎ漁業として北海道の鱈漁や青森のイカ漁に従事する人々も存在しました。農業も行われており、主に米や野菜が栽培されていました。

交通

交通手段としては日本国有鉄道の羽越本線があり、小波渡駅と三瀬駅が村内に設置されていました。また、明治から大正にかけては、馬車による輸送手段もあり、これが「トテ馬車」と呼ばれていました。国道7号も通っていましたが、当時はまだ日本海東北自動車道の三瀬インターチェンジは開通していませんでした。

施設と教育

医療機関は三瀬に複数あり、また1953年時点での小学校や中学校も存在しました。豊浦村立三瀬小学校は、村の教育の中心的な役割を果たしていました。名所としては、由良海水浴場があり、澄んだ海が地元の人々や観光客に人気でした。

まとめ

豊浦村は、漁業を中心に発展した歴史ある村であり、自然の恵みに支えられたコミュニティでした。多くの困難にもかかわらず、村人たちは豊かな生活を求め続け、その名残を現在の鶴岡市の地域文化や歴史の中に見ることができます。

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