豊田喜代美

豊田喜代美（とよだ きよみ）は、1951年12月19日生まれの日本の声楽家、ソプラノ歌手です。東京都出身で、その卓越した歌唱力と豊かな表現力で、国内外の観客を魅了してきました。

学歴と音楽活動

1970年3月に桐朋女子高等学校を卒業後、桐朋学園芸術短期大学に進学。その後、桐朋学園大学音楽学部声楽科に2年次編入し、1975年に卒業しました。さらに研鑽を積むため、1978年にはドイツのケルン音楽舞踏大学（マスタークラス、エレン・ボゼニウス研究室）に留学。ヨーロッパの音楽文化に触れ、自身の音楽性を深めました。

声楽を萩谷納、柴田睦陸、柴田喜代子、エレン・ボゼニウスといった著名な指導者に師事し、ボイス・コーチとしてジャンニーナ・スタノーノ、シモン・バッディからも指導を受けました。また、コレペティトアとしてフランコ・フェッラーリス、フランク・エーガーマン、スティーブン・ローチに師事するなど、多角的な視点から音楽への理解を深めています。

研究活動と教育活動

音楽活動と並行して、豊田は研究活動にも力を注ぎました。2001年に国立法人北陸先端科学技術大学院大学博士前期課程を修了。2007年には同大学院博士後期課程を修了し、2008年に知識科学博士号を取得しました。博士論文は「クラシック音楽歌唱における知識創造モデル-スキルサイエンスからの接近」です。

教育者としても活躍しており、2010年4月から2017年3月まで沖縄県立芸術大学教授を務めました。2018年から2021年度までは、東京大学で非常勤講師として教鞭を執りました。これらの活動を通して、後進の育成に尽力しています。

受賞歴

豊田喜代美の卓越した音楽活動は、数々の賞によって称えられています。特に注目すべきは、第11回ジロー・オペラ賞（「セヴィリアの理髪師」ロジーナ役での受賞）と、第16回サントリー音楽賞（1984年度）の受賞です。これらの受賞は、彼女の音楽家としての高い実力を証明するものです。

その他の活動

2018年には、豊田喜代美ソプラノリサイタルを開催。また、2013年と2014年には「Mulier fortis（勇敢な婦人・細川ガラシャ）」の公演に出演するなど、精力的に活動を続けています。

参考文献

博士論文『クラシック音楽歌唱における知識創造モデル―スキルサイエンスからの接近―』CiNii Research - 国立情報学研究所　甲第511号 , 2008年3月24日
『博士論文』国立国会図書館書誌ID 000010439041
読売人物データベース 0026852
CD『木下牧子浪漫歌曲集』FOCD9496
著書：Arts-based methods in education research in Japan
共著：Kazutoshi Kudo, Kiyomi Toyoda
担当範囲：Music-based/inspired scientific research and liberal arts education.
担当ページ：xxii, 272 p.
Brill 2022年3月 (ISBN: 9789004514133)
CiNii Books ID:BC14567598
CiNii Books http://ci.nii.ac.jp/ncid/BC14567598
URL https://lccn.loc.gov/2022002006

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