豊田郡 (香川県)

豊田郡の歴史と変遷

豊田郡（とよたぐん）は、かつて香川県に存在した郡で、明治11年に設立されました。この郡は、現在の観音寺市および三豊市の一部に該当する地域を含んでいました。豊田郡の歴史は古代にさかのぼり、初めは刈田（苅田）郡として知られていました。

郡域

豊田郡の発足当初（1878年）において、その区域は現在の行政区画で見ると概ね観音寺市の大部分、および三豊市の一部に相当します。特に観音寺市は当初から豊田郡に属し、後に三野郡から編入された本大町を除く形で維持されました。

古代の構成

郡の発足時は、高屋郷、坂本郷、柞田郷、山本郷、紀伊郷、姫江郷の6つの郷が存在していました。後に、和田郷が姫江郷から分離し、新たに成立しました。さらに、この地域には『延喜式』神名帳にも言及された式内社が存在していました。

近代の行政区画

明治初年の豊田郡は全域が丸亀藩の領地として管理されていました。なお「旧高旧領取調帳」には、明治初年時点での村の名前が確認されており、全部で45村が存在していました。これには吉岡村、流岡村を始めとする村名が記されています。

1871年に丸亀県の管轄に置かれた後、香川県や名東県を経由し、次々と行政管轄が変動しました。1878年には郡区町村編制法が愛媛県で施行される際に、豊田郡が正式に設立され、観音寺村に「豊田三野郡役所」が設けられました。

町村制の施行

1890年に町村制が香川県で施行され、豊田郡内では観音寺町、高室村、常磐村などが新たに町村として設置されました。この時の行政区は現在の観音寺市の大部分をカバーしているとされます。特に観音寺町は観音寺村と伊吹島村が統合されて誕生しました。

その後、1898年には姫之江村が町制を施行し、豊浜町へと改称されました。

1899年、豊田郡は三野郡と共に三豊郡に統合される形で廃止され、その歴史は幕を閉じます。

まとめ

豊田郡はその誕生からかつての変遷を経て、最終的には三豊郡として再編されました。香川県の歴史において、豊田郡は地域の自治の確立や行政区分の変化といった重要な役割を果たしてきました。今後の研究においても、豊田郡の歴史を理解することは香川県全体の歴史を把握する上で重要です。

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