豊竹巴太夫

豊竹 巴太夫（とよたけ ともえたゆう）

概要

豊竹 巴太夫は、日本の伝統的な義太夫節を代表する太夫です。本記事では、巴太夫の代々の継承者について詳しく見ていきます。彼らはそれぞれ独自の背景を持ちつつ、義太夫節を受け継ぎ、発展させてきました。巴太夫の歴史は、江戸時代から明治時代にかけての日本の文化において重要な役割を果たしています。

初代 巴太夫

初代豊竹 巴太夫は、明和6年（1769年）に大坂に生まれました。彼は初代豊竹麓太夫の女婿であり、弟子の竹本賀代太夫が巴太夫となります。1790年に初出座し、1810年には堀江荒木芝居で櫓下の役を務めました。彼の通称は「茶碗屋助三郎」や「太好庵」として知られ、多くの人々に親しまれました。

2代目 巴太夫

2代目の巴太夫は、紀州に生まれ、初代の門弟でした。彼は一時的に江戸で4代目豊竹若太夫を襲名しましたが、正式には代数として認められていません。1823年に故郷に帰り、1829年に2代目巴太夫を名乗ることとなります。1830年には稲荷文楽芝居の櫓下で活躍しました。

3代目 巴太夫

3代目の巴太夫は丹波笹山の出身で、初代の門弟です。1825年に豊竹勝太夫として初出座を果たし、その後綾太夫や6代目竹本咲太夫を経て1842年に3代目巴太夫を襲名しました。名古屋や江戸の薬師寺芝居にも出演し、1853年には大阪清水町の文楽芝居でも活躍。彼の通称は「善太郎」で、多くの観客に愛されました。

4代目 巴太夫

4代目の巴太夫は2代目の弟子として繁忙な世の中で活躍しました。1832年に豊竹い太夫でデビューし、師の死後は5代目竹本政太夫や5代目豊竹若太夫のもとで学びます。1840年に2代目豊竹富太夫、1853年に6代目若太夫、1863年以降は座摩や御霊の櫓下でも活動し、1868年には4代目巴太夫を襲名しました。

5代目 巴太夫

5代目の巴太夫は、のちに初代豊竹柳適太夫としても知られるようになりました。彼もまた、義太夫節の伝承において大きな存在となりました。

6代目 巴太夫

最後に、6代目巴太夫は明治8年（1875年）に生まれ、父は6代目三笑亭可楽（本名、中村勘三郎）です。彼は豊竹冨士太夫を経て1913年に6代目巴太夫としての名を継承しました。実弟は7代目鶴澤蟻鳳であり、文化的背景を持つ一族です。彼の墓所は豊島区西巣鴨にある善養寺です。

結論

豊竹 巴太夫の歴史は、日本の義太夫節の伝統と深く結びついています。彼らの活動を通じて、古き良き伝統が現代に受け継がれ、今なお多くの人々に感動を与えています。

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