賀泥

賀泥（が でい、生没年不詳）は、北魏時代の人物で、賀蘭部という部族の出身です。彼の出自や功績は、『魏書』や『北史』といった歴史書に記録されています。

賀泥は、賀悦の子として生まれました。彼は初め、北新公という爵位を継承しましたが、後に肥如侯に降格されました。北魏の初期、道武帝が拓跋紹によって殺害されるという事件が起こると、賀泥は拓跋紹に公然と反対し、安陽城の北で兵を挙げ、賀蘭部の人々を糾合しました。この行動は、後の明元帝の即位に繋がります。

明元帝が即位すると、賀泥は拓跋渾ら他の7名と共に、皇帝の側近として拾遺左右に任命されました。さらに、北新侯安同と共に持節として行并定二州の行政を任され、并州刺史の元六頭らを弾劾し処罰しました。これにより、州郡の秩序は厳正に保たれることとなりました。

その後、賀泥は太武帝に従い、夏の赫連昌を討伐する戦いに参加し、その功績によって琅邪公に爵位を進められました。彼は北魏の軍事や国事に関する重要な議論に必ず参加するようになり、国政に深く関与しました。

しかし、柔然に対する北征に参加した際、賀泥は別道の将として軍を率いながら、敵の追撃において兵を進めることを怠り、また、討ち取った首級の数を不正に水増ししました。この行為が発覚し、彼は斬罪に相当すると判断されましたが、金銭を納めることで罪を贖い、庶人に落とされました。

失脚後、長い年月を経て、賀泥は光禄勲に任じられ、再び外都大官となり、以前の爵位に復帰しました。彼はその職にあるまま亡くなり、子の賀丑建が後を継ぎました。

賀泥の生涯は、北魏という激動の時代を反映しています。彼は、初期の混乱期に兵を挙げて明元帝の即位を支え、太武帝の時代には国政に深く関与しました。しかし、その後の失態により一時失脚し、最終的には復権するという波瀾万丈な人生を送りました。彼の行動や決断は、当時の北魏の政治情勢や社会構造を理解する上で重要な手がかりとなります。

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