賀茂水穂

賀茂水穂の生涯と業績

賀茂水穂（かも の みずほ）は、1840年6月11日、現在の遠江国浜名郡に生まれた日本の海軍軍人および神職です。彼は代々神職を務める家に生まれ、賀茂備後直章という名でも知られていました。また、著名な神職である賀茂真淵の末裔にあたります。

幼少期と戊辰戦争

賀茂水穂は、1868年2月23日に兄の山本金木とともに遠州報国隊を結成し、有栖川宮熾仁親王の指揮のもと、戊辰戦争で東征に参加しました。この戦争は、日本が近代化に進む中で過去の体制を崩壊させる重要な出来事であり、彼の軍人としてのキャリアの出発点となりました。

海軍でのキャリア

明治7年（1874年）、賀茂水穂は海軍省に入省し、海軍少秘書として公務に従事しました。その後、佐賀の乱にも従軍し、海軍内での地位を着実に上げていきました。彼は海軍大秘書を経て、海軍大主計という重要な役職に就任しました。これは秘書科と主計科が統合された結果、賀茂水穂がその主導的な立場に立ったことを示しています。

靖国神社の宮司としての活動

明治24年（1891年）から明治42年（1909年）にかけて、賀茂水穂は靖国神社の2代目宮司をつとめました。この神社は戦没者を祀るために設立され、多くの参拝者を迎える場所となりました。彼の在任中、靖国神社は重要な国家的シンボルとしての役割を果たし、賀茂水穂の多大な貢献がありました。彼が亡くなったのは1909年のことですが、その死後も彼の業績は多くの人々に評価され続けています。

家族について

賀茂水穂は、神主である父・賀茂鞆音（賀茂日向）と共に、代々神職の家系に身を置きました。また、次兄の山本金木は井伊谷宮の権宮司を務めていました。彼には長男として賀茂厳雄が生まれ、彼も海軍中将として活躍しました。さらに、長男は湯浅蓄電池の製造業に関与し、岳父には萬里小路通房が名を連ねていました。次男の堤正義は旧制大阪工業大学の学長として教育界でも名を馳せました。家族の女性陣についても言及すると、静江は伊藤乙次郎の妻となっています。

墓所とその後の影響

賀茂水穂の墓は青山霊園にあります。彼の生涯は、日本海軍の近代化と国家における神職の役割を象徴するものであり、後世の軍人や神職に対する影響を与えました。彼の事績は、戦争や海軍活動を通じて、日本の歴史に残る重要な足跡を刻んでいます。彼を通じて、多くの人々が日本の近代化と共に生きた時代の人々の思いや功績を知ることができるでしょう。彼の影響は現在でも続いており、戦没者を祀る靖国神社の役割は彼の貢献なくしては理解できないものとなっています。

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